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松明殿稲荷神社 (京都市下京区) Taimatsuden-inari-jinja Shrine |
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松明殿稲荷神社 | 松明殿稲荷神社 |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 拝殿 ![]() ![]() 本殿 ![]() 本殿 ![]() ![]() ![]() 天満宮 ![]() 天満宮 ![]() 手水舎 ![]() 井戸 ![]() 手水 ![]() 地蔵尊 ![]() 地蔵尊 ![]() ![]() ![]() 【参照】江戸時代の七条大橋での御渡の様子(『都名所図会』巻2)、当社説明文より |
七条大橋の西詰南に松明殿稲荷神社(たいまつでん-いなり-じんじゃ)はある。伏見稲荷大社の境外末社であり、田中社、炬火社(たいまつの-やしろ)ともいわれる。 祭神は、大己唯命(おおなむちのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、猿田彦命(さるたひこのかみ)、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)になる。 商売繁盛、厄除開運、病気平癒、交通安全などの信仰がある。 ◆歴史年表 平安時代、948年、創建されたという。かつて、黒門通塩小路付近(油小路八条北とも)にあった。(社伝) 956年、勅により、篝火などを焚いて悪霊を祓う神事の燎祭が行なわれた際に、「炬火殿(たいまつでん)」の号を贈られる。 鎌倉時代、1263年、2月、神託により七条南東洞院の東に建立されたという。 室町時代、応仁・文明の乱(1467-1477)後に、鴨川の西七条の北に遷されたという。 その後、七条東洞院に遷るという。 江戸時代、貞亨-元禄年間(1684-1700)、松明殿稲荷社として新日吉町(木屋町七条上ル)に描かれている。(『加茂流域図』) 1711年、現在地に移転したという。 1780年、当社が記されている。(『都名所図会』巻2) 現代、2018年、台風21号で本殿、拝殿が被災した。その後、修復される。 ◆養阿 江戸時代前期-中期の木食僧・養阿(ようあ、1687?-1763)。木食正禅、木食養阿。丹波国桑田郡保津村の村上庄右衛門の子。幼くして父を亡くし、京都銀座の手代を経て、24歳で泉涌寺・雲竜院の恵雄により出家、朋厚房正禅と名乗った。1711年、高野山に上り、木食恵昌に師事、五穀を断ち、木の実を食する木食行に入る。甲賀郡安養寺(現嶺南寺)、高野山で木食大戒を修めて大阿闍梨になる。信濃の善光寺、美濃の国一円を行脚した。七条大宮の梅香庵に住し、念仏聖として洛中洛外の無縁墓地を回り供養、六字名号碑、日岡名号碑を建立した。1719年、勧進により弥陀如来像を造立し真如堂に安置した。享保年間(1716-1736)/1720年、狸谷不動院で入籠し木食行に入る。参詣者が絶えず、幕府の弾圧により五条坂に移る。1725年、安祥院を再興し、勧進により、1736年、日岡峠改修工事を着工する。1737年、旅人休憩所を設けた。1738年、日岡峠改修工事が完成する。1741年、法橋上人位を授与され、養阿に改めた。1747年頃、渋谷街道の修築工事を行い、峠道の管理所、休憩所の梅香庵(木食寺)を建てた。1752年、松明殿稲荷神社に井戸を掘る。石橋の架設、寺社の敷石などの土木工事も行う。1763年、安祥院(東山区)で即身仏になり墓塔に納められた。日岡・梅香庵(山科区)で亡くなったともいう。76歳?。 ◆社号・松明町 松明殿稲荷社の松明とは、平安時代、956年、篝火などを焚いて、悪霊を祓う神事である勅の燎祭が行なわれた。この時、「炬火殿(たいまつでん)」の号を賜ったことに因むという。 近世、伏見稲荷大社の春の稲荷祭の折に、当社の氏子が松明を持ち、御旅所に神幸する神輿5基を迎え火、送り火したことに由来するともいう。鴨川東岸、七条河原では大松明が焚かれた。神輿5基と巡行の祭列は、七条大橋の東より西に御渡している様が描かれている。(『都名所図会』巻2) 旧地に松明町(下京区、旧九条村)の地名はいまも残る。かつて町内の耕地には伏見稲荷大社の頓宮(仮宮)があり、祭礼には松明を灯して神輿を迎え入れ「松明殿」と呼ばれていた。鎌倉時代、1263年以来の恒例という。後、頓宮は七条東洞院に遷される。 なお、松明町の跡地は「踊り場」と称された。近代、1877年には家が建ち「出在家」と呼ばれたという。 ◆木像 飛鳥時代、第32代・天智天皇像、天智天皇皇子・大友皇子木像が安置されている。 ◆井戸 境内には、江戸時代中期の僧・木食正禅養阿(1687-1763)の「木食正禅」「宝暦二年夏」「松明殿」の銘ある石製手水鉢、石井戸がある。江戸時代、1752年に寄進された。 神仏習合時代に、稲荷山の修験が当社の行事にも関与していた例になるという。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 当社案内文、『京都・山城寺院神社大事典』、『京都史跡事典』、『京都大事典』、『山科の歴史を歩く』 、『稲荷信仰の世界』、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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