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高野川 Takano-gawa River |
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高野川 | 高野川 | |
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![]() 蓼倉橋から北の眺望、奥は「法」の東山 ![]() 高野橋から北東方向、比叡山 ![]() 比叡山、八瀬 ![]() 高野川源流域
![]() 河合橋より北方向、桜と菜の花、桜の名所のひとつ ![]() 高野川上流の紅葉 ![]() 賀茂川と合流する三角州地点の、高野川にかかる河合橋 ![]() ![]() |
鴨川の支流一つである高野川は、淀川水系の一級河川で、若狭街道(朽木街道、鯖街道)に沿い、大原、八瀬、上高野、山端を流れ、下鴨の糺の森で鴨川に合流している。 ◆歴史年表 平安時代、上高野、松ヶ崎でも禊が行われていた。 799年、「禊於埴川」の埴川(はにかわ)とは、高野川といわれている。(『日本後記』巻8) 江戸時代、1686年、「高野川と号す」と記されている。(『雍州府志』) 近代、 1919年、3月30日、高野川改修工事竣工する。(「京都日出新聞」) 1935年、昭和10年鴨川大洪水で、高野川沿いでも被害が出た。 現代、戦後も、反物の友禅流しも行なわれていた。 ◆源流・支流 高野川は、流路延長23km、流路面積46.6㎢ある。 源流は、京都市左京区と滋賀県大津市の境にある途中峠の南西にある。さらに、焼杉山の北・古知谷阿弥陀寺の北を流れる谷川、天ヶ岳北東から流れる高谷川、三千院の東・小野山を源にする呂川、焼杉山の南を源とし、寂光院の脇を流れる草生川、さらに宮川、大長瀬川などいくつかの支流の流れを集め、南西方向に流れ下る。さらに、上高野の花園橋下流で岩倉川と合流し、松ヶ崎橋の上流で音羽川と合流し、出町柳の賀茂大橋上流で鴨川と合流する。 主な支流としては、高谷川、 呂川、(律川)、草生川、大長瀬川、宮川、岩倉川、音羽川、分流に 泉川がある。 ◆高野の由来、歴史 高野川の高野は、平安京遷都の際の、「御狩野」の「鷹野」に由来する。また、近くにいまも氷室山(上高野)の名があり、この山にはかつて氷室があったともいう。小野官瓦窯跡もあり、高野は平安京との関わりが深い。 高野川は、大原の里では「大原川」、八瀬では「八瀬川」、また「埴川(はにかわ」(『日本後紀』、840)とも呼ばれた。埴川の「埴」とは、粘土(赤土、はに)を産したことによる。焼き物の材料になり、衣料の土染めにも使われた。 高野川は、水深が浅く、流れは清涼で、平安時代には上高野、松ヶ崎でも禊が行われていた。かつては禁河とされ、アユは天皇に供されていた。 なお、高野川河畔に建立されている崇道(すどう、崇導)神社に祀られている高野新笠(桓武天皇の母)は、百済武寧王の系譜をひき、後に高野朝臣になったことから高野姓の由来になった。 江戸時代の『雍州府志』(1684)には、「叡山の麓を過ぎて、高野村に出ず。依りて、高野川と号す」とある。高野村が高野川の名前の由来だという。 かつて高野川沿いでも友禅業が盛んで、戦後も、反物の友禅流しも行なわれていた。 近代、「昭和10年鴨川大洪水」(1935)では、高野川沿いでも被害が出ている。その後の改修工事において、急曲部の緩和、護岸工事、幅員拡大などが行われている。 ◆水争い 江戸時代、高野川、音羽谷川、大田川から、周囲の村々に水が引かれていた。高野川沿いの大原から八瀬にかけては、40カ所の井堰があった。 そのなかで、太田井堰は、周辺の高野、修学院、一乗寺、田中の村と、下流の松ヶ崎、下鴨の6村の水田の灌漑に利用された。そのため、上流の組合井堰をめぐって、下流の村との間で、分水量、分水方法をめぐる長期の争いが絶えなかった。 旱魃の際に農民は、田畑が「亡所」となることを恐れた。このため、京都町奉行所への訴訟も度々で、時には太田井堰、松ヶ崎井出ヶ鼻井堰の破壊も行われた。また、井堰の維持管理のための普請も、農家にとっては負担が大きな作業だった。300年にもわたる水争いは、明治期になって終焉している。 ◆名石 名石として知られ、庭石として重宝された「加茂の七石」の一として、高野川で産した「八瀬真黒石」がある。 ◆文学 歌人・与謝野晶子(1878-1942)に「高野川 河原のかなた 松が枝に かはせみ下りぬ 知る人の家」(歌集『舞姫』、1890年)がある。 ◆自然 近年、5月下旬-6月中旬に、河合橋の泉川流入口付近、さらに上流部でも、わずかながらゲンジボタルの飛翔が確認されている。 国の特別天然記念物、オオサンショウウオが棲むともいう。 ◆アニメ アニメーション『けいおん!(第1期)』『 けいおん!!(第2期)』(原作・かきふらい 、制作・京都アニメーション、第1期2009年4-6月、第2期2010年4月-9月、第1期全14話、第2期全27話)の舞台になった。高野橋東詰、高野川河川敷などが登場する。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都大事典』、『高野川』、『京都の歴史10 年表・事典』、ウェブサイト「アニメ旅」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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