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尾形光琳宅跡 (京都市北区) Site of Ogata,Korin Residence |
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尾形光琳宅跡 | 尾形光琳宅跡 |
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上御霊神社の西北近く、住宅地の一角に、「緒方(尾形)光琳宅蹟(おがた-こうりん-たく-あと)」の石標が立てられている。 江戸時代の画家・尾形光琳の晩年の宅地跡ともいう。ただ、近年、異説も出され、宅地は現在地のさらに西付近(上御霊仲町、烏丸通上御霊霊前上る東側)にあったともいう。 ◆歴史年表 江戸時代、1658年、尾形光琳は山里町西側(上京区、智恵光院通中立売下る、聚楽第跡)に生まれた。 1687年、光琳の父没後、屋敷(上京区智恵光院通中立売下る)を売り払い、上御霊仲町(烏丸通上御霊霊前上る東側)に移ったともいう。 1694年頃より、現在地近く、上御霊神社付近の中町藪内町に移ったともいう。 1716年、光琳はこの地で亡くなったという。その後、屋敷は他人に売却される。その後も「光琳屋敷」と呼ばれていたという。 1782年まで、「光琳屋敷」は存続していた。 1788年、天明の大火により「光琳屋敷」は焼失したともいう。 近代、1929年、現在の石標が立てられる。 現代、1978年、実際の光琳宅は、現在の石標の位置より西へ150m、烏丸通付近を跨ぎ、南へやや下がった地点にあったとされる。藪之内に「ヲカタ屋敷」と記されていた。(上賀茂神社文書「禁裏御用水川筋図」)。 ◆尾形光琳 江戸時代前期-中期の尾形家6代・画家・尾形光琳(おがた-こうりん、1658-1716)。名は惟富、惟亮、伊亮(これすけ)、幼名は市之丞、別号は積翠、道祟(どうすう)、寂明、方祝(まさとき)、澗声(かんせい)、青々、道号は日受。京都の生まれ。父・富裕な呉服商「雁金屋 (かりがねや)」の尾形宗謙の次男。弟は陶芸家の尾形乾山、曾祖父・道柏の妻は本阿弥光悦の姉。少年時代から能楽・茶道・書道などに親しんだ。父、山本素軒より狩野派の画法を学ぶ。1687年、父の遺産の半分を譲渡され、数年内に使い果たした。34-35歳頃より光琳と称した。39歳頃より画家になる。1699年、弟・乾山は鳴滝に開窯し、光琳は絵付けを手伝う。1701年、二条綱平の推挙により法橋に叙せられ、「小形」を用いた。1703年、奢侈禁止令の咎により「京市中住居お構い」により京都を追われる。1704年、江戸に一度出る。肖像画「中村内蔵助像」を描く。酒井家・津軽家などの大名屋敷にも出入りした。1709年、京都に戻る。1711年、自ら設計した建物で創作活動に打ち込む。59歳。 初め狩野派の画技を学び、土佐派、俵屋宗達・宗達派、光悦蒔絵、野々村仁清にも影響を受ける。独自の大和絵画風(後の琳派)を大成した。銀座役人・中村内蔵助、材木商・冬木家らが支援した。本格的な画業を始めたのは、晩年の20年ほどだった。作品に繰り返される絵柄で構成された「燕子花(かきつばた)図屏風」(国宝、18世紀前半)、宗達を模写し、宗達の「風神雷神図屏風」を意識した傑作「紅白梅図屏風」(国宝、18世紀前半)などがある。乾山に協力し絵付けを行った「黄山谷観鴎図角皿」、工芸「八橋蒔絵螺鈿硯箱」(国宝)、「白地秋草模様小袖」(重文)などの傑作を遺した。屏風絵のほか、香包、扇面、団扇、小袖、蒔絵、水墨画なども幅広く手がけた。 妙顕寺・興善院(後に泉妙院)(上京区)に葬られた。墓は、妙顕寺の塔頭・善行院の南にもある。 ◆屋敷 光琳の屋敷は、現在の石標の位置より西へ150m、烏丸通付近を跨ぎ、南へやや下がった地点にあったとされる。藪之内(やぶのうち)に「ヲカタ屋敷」と記されていた。(上賀茂神社文書「禁裏御用水川筋図」)。上御霊中町、烏丸通付近ともいう。間口7間2尺、奥行24間あり、東面し、門前に御用水が流れていた。屋敷が荒廃して後は、一帯は藪内と呼ばれた。 ◆手水鉢 屋敷内の茶室に「手水鉢」があった。かつて出雲寺(上出雲寺)の三重塔の心礎ともいう。屋敷に移され蹲に転用された。屋敷荒廃後には藪中に残され、「泣き石」と呼ばれている。近代、1912年に東本願寺に移され、現在は東本願寺別邸(非公開)の濡縁傍にあるという。 隅丸の長方形、中央に円穴(直径40㎝)、長さ2.2m、幅1.6m、厚さ50㎝、花崗岩製。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都史跡事典』、『京都大事典』、『京都の地名検証 3』、『昭和京都名所図会 5 洛中』 、『京都の歴史を足元からさぐる 洛北・上京・山科の巻』、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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