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四宮大明神 (琵琶・琴元祖四宮大明神) (京都市山科区) Shinomiya-daimyojin Shrine |
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四宮大明神 | 四宮大明神 |
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![]() 参道、住宅地の間の路地 ![]() 琵琶・琴元祖四宮大明神 ![]() ![]() 末社 ![]() 末社、行者神変大菩薩 ![]() ![]() すわり石、人康親王の山科御所跡の庭石ともいう。 ![]() やけ石 ![]() 御足摺水の石標 ![]() ![]() 泉水町の由来になった。いまもわずかに湧水がある。 ![]() クスノキの大木 ![]() 【参照】四ノ宮泉水町の町名板 ![]() 【参照】平家琵琶 |
四ノ宮の住宅地の露地奥、JR線の南に隣接して四宮大明神(しのみや-だいみょうじん)が祀られている。琵琶・琴元祖四宮大明神(びわ-ことがんそ-しのみやだいみょうじん)とも呼ばれている。琵琶法師の祖神とされる人康(さねやす)親王を祀る。周辺には親王にまつわる旧蹟が複数ある。 祭神は人康親王(天世命)、琵琶法師(月世命)、稲荷大明神を祀る。御霊社。 目の神、芸能上達、弦楽上達の信仰がある。 ◆歴史年表 創建の詳細、変遷は不明。 江戸時代、人康親王の命日(旧暦5月5日、2月26日とも)に、琵琶法師(当道)らがこの付近に集い、琵琶を奏で経を唱えて奉納していたという。当初は、現在地の北、山手にあった。 1879年頃、国鉄旧東海道線敷設工事に伴う築堤により現在地に遷された。 近代、1915年、実業家・松村輿三郎が、現在地(旧神宮寺)の泉の石垣を整備し、再興した。 昭和期(1926-1980)中期以降、荒廃する。 ◆人康親王 平安時代前期の皇族・人康親王(さねやす/ひとやす-しんのう、831-872)。法名は法性(ほっしょう)。第54代・仁明天皇の第4皇子、母は藤原総継の娘・沢子。848年、四品、上総、常陸国の太守、弾正台の長官を歴任した。859年、28歳で高熱により両目を失明し、宮中より追われる。山科御所を営み隠棲し、出家、法性(ほっしょう)と号した。親王は、弾正尹兼常陸太守となったものの、両目を失明後出家し、この地、四ノ宮に隠棲した。琵琶の名手とされ、盲人を集め、琵琶や管絃、詩歌を教えたという。親王没後、仕えていた人々に、「検校」「勾当」という「盲官」の位が与えられた。さらに、僧職に就いた者は「法師」と呼ばれた。検校たちは、親王を祖神と仰ぎ、当地や、四条河原での積塔会(しゃくとうえ)などで、毎年先祖供養の祭祀を行っていた。42歳。 「四宮」の地名は、親王が第4皇子とされることに由来するともいう。親王は『伊勢物語」78段に、「山科の禅師親王」として登場する。親王は唐から伝えられた琵琶を習い、その名手とされた。鎌倉時代、室町時代の琵琶法師には、始祖「雨夜尊(あまよのみこと)」、「天夜尊」と崇められた。 徳林庵(山科区)に室町時代の供養塔、近くの十禅寺(山科区)に墓、諸羽神社(山科区)境内は親王の山荘跡とされている。 ◆松村輿三郎 近代の実業家・松村輿三郎(まつむら-よさぶろう、 ?-?)。詳細不明。明治期、四ノ宮で「やましな飴」と、石灰製造により財を成した。1915年、四宮大明神を再興した。 ◆末社 末社に京都石仏大日如来、弘法大師不動明王、行者神変大菩薩を祀る。 ◆御足摺水 境内の一角に「御足摺水(おあしずりのみず)」の石標が立つ。諸羽山の麓にあり窪地が残る。付近は、人康親王の山荘の一部だったとみられ、庭石などもある。泉は、親王が自らの身の悔しさに地面を足でこすると湧水したという。 「蝉丸手洗いの水」とも呼ばれたのは、江戸時代に人康親王とその弟子・蝉丸とが混同されていたことによる。 ◆地蔵尊 境内一角に地蔵尊が祀られている。松村輿三郎が当社を再興した際に、諸羽山など周辺にあった地蔵尊を集めたものという。鎌倉時代のものもある。 ◆四宮 地名の四宮(しのみや)の由来について、第54代・仁明天皇の第4皇子・人康親王に因むとされ、四宮にいくつかの伝承が残る。 琵琶の名手といわれた盲目の蝉丸もまた、延喜帝(第60代・醍醐天皇)の「四宮」とされ、地名の由来になったという。逢坂の関に伝承がある。 諸羽(もろは)神社の通称「四の宮」に由来するともいう。 南北朝時代には後白河院(第77代)御影堂領としてあった。室町時代、応仁・文明の乱(1467-1477)頃に、山科七郷の一つとして、竹内門跡(曼殊院)の支配下にあった。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『山科町誌』、『京都の歴史玄関 やましな盆地』、『京都の地名検証』、『四ノ宮琵琶 縁奏会』、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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