永明院 〔天龍寺〕 (京都市右京区) 
Yomei-in Temple
永明院 永明院
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恵比寿天堂



恵比須天堂



恵比須天堂





夢地蔵尊
 天龍寺境内、法堂の南東に塔頭・永明院(ようめいいん)はある。 
 臨済宗大本山天龍寺派。
 天龍寺七福神めぐりの一つ、5番、恵比寿を祀る。商売繁盛、交通安全の信仰がある。
◆歴史年表 室町時代、1413年、1414年とも、太岳周祟(たいがく しゅうそう)が創建した。
 1467年、応仁・文明の乱(1467-1477)により焼失する。
 安土・桃山時代、1593年、常滑(とこなめ)藩主・水野守信(1577-1637)が父・堅物の名誉回復、菩提を弔うために再興した。以後、水野家の菩提寺になる。
 1864年、蛤御門の変の兵火により全焼失した。
 1865年、再興される。
 近代、大正期(1912-1926)、実業家・山口玄洞の大寄進を受け再興される。
 現代、1987年、境内墓地の宝塔6基が、水野一族の墓所と確認された。
◆太岳周崇 南北朝時代-室町時代中期の臨済宗の僧・太岳周崇(たいがく/だいがく しゅうすう、1345-1423)。阿波国の生まれ。臨川寺の黙翁妙誡に師事、出家、受戒した。等持寺、鎌倉・円覚寺などで修行した。室町幕府3代将軍・足利義満の帰依を受け、1402年、相国寺の住持、後に天龍寺に移る。1404年、鹿苑僧録に任じられ、10年に及ぶ。
 漢書に通じた。神泉苑での祈雨も行う。号は全愚道人。
◆水野守信 安土・桃山時代-江戸時代初期の武将・水野守信(みずの もりのぶ、1577-1637)。水野守次の子。母は側室の北小路公頼の娘・菊、水野信元の娘とも。母、祖父・公頼に養育される。徳川家康に仕え、会津征伐に従う。旗本寄合の家格になる。1605年、徳川秀忠上洛の供をした。1617年、書院番使番、1626年、長崎奉行に就任、キリシタン取締りを強化、弾圧のための踏み絵を考案したともいう。1628年、大坂町奉行、1629年、堺奉行を兼任。1632年、総目付の一人に任じられた。1634年、加増。天龍寺・永明院に葬られる。
◆水野監物 室町時代-安土・桃山時代の武将・水野監物(みずの けんもつ、-1598)。守次(守隆)。1560年、桶狭間の戦いに初陣。後、常滑城三代目城主。1597年、本能寺の変後、天王山の戦いで明智光秀に味方する。戦後、豊臣方の追及を避け、天龍寺・永明院中興の6世・三章令彰を頼り、監物入道として隠棲した。1598年、北野の大茶会で豊臣方に見つかり、天龍寺山内で割腹自害した。法名「祥光院殿雲室全慶大禅定門」。
 連歌、茶道を嗜む。明智光秀とも趣味を同じくして親交した。千利休、津田宗九らとも交わる。常滑焼を奨励し、茶人らに紹介した。
◆山口玄洞 近代の実業家・山口玄洞(やまぐち げんどう、1863-1937)。広島県の生まれ。医業と副業の醤油販売業・山口寿安の長男。1871年、9歳で愛媛の漢学塾「知新館」に学ぶ。1877年、父急死により、尾道で行商を始める。1878年、大阪の洋反物店「土居善」に丁稚奉公に出る。1881年、倒産により鳥取で商う。1882年、大阪で洋反物仲買「山口商店」を開業し、輸入織物のモスリンを扱い成功する。1896年、山口家4代目として玄洞を襲名した。1904年-1906年、高額納税者のため、貴族院勅任議員に互選される。三十四銀行取締役、大阪織物同業組合初代組長、大日本紡績(現ユニチカ)・大阪商事などの役職を兼ねる。1917年、引退し、京都の本邸で隠居、仏教を篤く信仰する。資産の多くを公共・慈善事業、寺社に寄付し、表千家も後援した。墓は大徳寺・龍翔寺、尾道・西國寺にある。
◆平櫛田中 近代-現代の彫刻家・平櫛田中(ひらくし/ひらぐし でんちゅう、1872-1979)。岡山県生まれ。1893年、大阪の人形師・中谷省古に弟子入りした。1937年、帝国芸術院会員。1944年より戦中も含め、東京美術学校教授、岡倉天心に師事した。1958年、「鏡獅子」を完成する。1962年、文化勲章受章。写実的な作風で、死の直前まで創作した。108歳。
◆仏像 本堂安置の本尊は、現代の彫刻家・平櫛田中作の十一面観音像が安置されている。ほかに千手観音像、聖観音像も安置されている。
 境内に立つ夢地蔵尊立像は、1990年に19世・國友憲道住職が建立した。開山・夢窓疎石より「夢」の一字を得て夢地地蔵と名付けたという。
◆建築 現在の庫裏・本堂は、大正期(1911-1926)、実業家・山口玄洞によって再興された。
◆天龍寺七福神 天龍寺七福神めぐりの一つ、恵比須天堂に祀られている木造の恵比須(20cm)は、西ノ宮戎神社の分神になる。1928年、阪急嵐山線開通に際して勧請された。救苦除災・福授開運の信仰がある。
 天龍寺七福神めぐりは、節分(2月3日)に天龍寺の総門前、法堂前で福笹を受け、境内塔頭7か寺を巡る。七福神が開扉され、お札を授かり一年の幸福を祈願する。
 三秀院(東向大黒天)、慈済院(水摺大弁財天)、弘源寺(三国伝来毘沙門天)、松厳寺(福禄寿)、妙智院(宝徳稲荷)、寿寧院(赤不動明王)、永明院(恵比寿)の7塔頭になる。
◆墓 1987年、境内墓地の宝塔など6基は、水野一族の墓所と確認された。
 左より2基目の小さな五輪塔が監物、ほかに守信など一族の宝塔が立つ。
 なお、当寺の寺紋は、水野家と同じ「丸に立ち沢瀉(おもだか)」になる。
◆滞在型文化体験プログラム 2016年より、観光客向けの滞在型文化体験「いろはにほん(Experience the Soul of Japan 、非公開寺院滞在型文化体験・文化財保護プログラム)」を行う。日本財団、NPO法人京都文化協会、ハイアットリージェンシー京都が連携企画した。寺院に1泊2日で宿泊し、坐禅、読経、茶礼体験、住職との対話などを行う。当初は外国人を対象とし、将来的には日本人にも対応する。
◆修行体験 夢坐禅会(毎月第1日曜日、坐禅10:00-11:00、法話11:00-11:30、8月は休会)。
◆年間行事 天龍寺七福神めぐり(節分、2月3日)。
 祈祷祭(毎月10日、20日)。


*普段は非公開
*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献  『天龍寺』『京都の禅寺散歩』「山城国葛野郡天龍寺の境内地処 と関係資料」『京の福神めぐり』


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永明院 〒616-8385 京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町60  075-861-3249 
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