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源光院 〔知恩院〕 (京都市東山区) Genko-in Temple |
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源光院 | 源光院 |
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源光院(げんこう-いん)は知恩院の塔頭の一つになる。 浄土宗。本尊は阿弥陀如来。 ◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。 近代、1868、知恩院山内、源光院に仏教の講究機関を設置した。佛教大学(北区)の前身になる。 1870年、源光院に仮勧学場を設置する。 現代、1946年、磯田多佳女の一周忌に追善の演芸会が催された。 ◆上田敏 近代の文学者・翻訳家・上田敏(うえだ-びん、1874-1916)。別号は柳村、微幽子、芸苑子。東京の生まれ。旧幕臣・上田絅二の長男。1881年、 父の転任に伴い、静岡に移住した。静岡尋常中学に入学した。1887年、 父の転任により東京に戻り、神田の私立東京英語学校に入学した。1889年、第一高等中学校に合格したものの、父の死により入学できなかった。1890年、東京英語学校を卒業した後、改めて第一高等中学校に入学した。北村透谷、島崎藤村らの文学界同人になる。1894年、東京帝国大学英文科に入学し、小泉八雲に学ぶ。1895年、雑誌の第一期『帝国文学』発起人の一人として創刊に関わる。1897年、帝大卒後、東京高等師範学校英語科教師の嘱託、東大講師になる。1899年、最初の著作集『耶蘇』を刊行した。東京師範学校教授になり、斉藤悦子と結婚した。1902年、主宰誌『芸苑』と、廃刊した森鴎外の主宰誌『めざまし草』を合併し、『芸文』を創刊した。1903年、ラフカディオ-ハーン(小泉八雲)の後を受け、夏目漱石らと東大英文科の講師になる。1905年、訳詩集『海潮音』を発表し、日本の詩壇に象徴詩を紹介した。1907年、私費でアメリカ、ヨーロッパ諸国を外遊した。文部省留学生を命じられる。1908年、帰国後、京都帝国大学講師として出講し、後に京都帝国大学教授になった。この頃、菊池寛が師事した。1910年、小説『うずまき』を発表する。文学博士の学位を授与される。慶應義塾大学文学科顧問に就任した。 ヨーロッパの近代文学を日本に多数紹介した。「山のあなたの空遠く 『幸』住むと人の言ふ」(カール・ブッセ「山のあなた」)などの訳詩で知られた。43歳。 ◆磯田多佳 近代の芸妓・磯田多佳(いそだ -たか、1879-1945)。本名は「たか」。お茶屋「大友」(下京区祇園本吉町)に生まれた。父は舞鶴田辺藩・武士の喜間太、母・ともの二女、姉は祇園一力亭の女将・おさだ。6歳で井上八千代に入門、1885年、第十五区尋常小学校入学(現、弥栄中学校)、1889年、小学校を4年で卒業し「女紅場」に入学、10代で芸妓になる。1902年、落籍した中島が死去、「大友」で芸妓に戻る。家業を継ぐ。1903年、画家・浅井忠と中村楼で出会う。1907年、浅井の勧めにより陶器を扱う「九雲堂」(四条通)を開く。1908年、「中村楼」で上田敏と出会う。1909年、「九雲堂」を兄に任せ、「大友」に戻る。1912年、谷崎潤一郎が「大友」を訪ねる。1915年、夏目漱石が「大友」を訪ねた。1945年、3月、建物強制疎開により「大友」が破却される。5月、逝去した。66歳。 舞、小唄、三味線、絵、歌、俳句などを嗜んだ。上田重子、三輪貞信に和歌、浅井忠に画を学び、夏目漱石、谷崎潤一郎、吉井勇などの文学者と交流し、「文学芸妓」と呼ばれた。 ◆磯田又一郎 近現代の日本画家・磯田又一郎(いそだ-またいちろう、1907-1998)。京都祇園の生まれ。養母は磯田多佳。京都市立絵画専門学校(現・京都市市立芸術大学)を卒業した。在学中に菊池契月、宇田荻邨に師事した。1927年、帝展に「敷蔭」が初入選する。1945年、養母の没後に「大友」跡地への吉井勇歌碑建立に尽力した。1949年、日展で「茶亭立秋」が特選・白寿賞を受賞している。1958年、小御所襖絵を完成させる。1961年以来、「都をどり」のポスター原画を18回も掛けた。1971年、紫綬褒章を受章する。晩年、南禅寺北の坊町に移り、多佳を看取る。90歳。 代表作「幻春」「望郷」など。花鳥風月、美人画、特に舞妓図に秀でた。日展・帝展・新文展で41回入選している。日展会友、関西美術展審査員。 ◆源光院・多佳女 戦前の源光院は、一時、知恩院の塔頭だった。某氏が知恩院より借り受け、私邸として使われていたという。 かつて、庫裡2階には文学者・上田敏が住んだ。多佳女の嗣子・又一郎も10年ほど住み、後に南禅寺畔の家に移ったという。 多佳女は寺の庭を愛し、しばしば訪れては、一人で三味線などを弾いていたという。(谷崎潤一郎『多佳女のこと』 ) *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都の明治文学』、『磯田多佳女のこと』 、『京都大事典』、『ぎをん №229』、ウェブサイト「ネットミュージアム兵庫文学館」、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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