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禅華院 (京都市左京区) Zenke-in Temple |
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禅華院 | 禅華院 |
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![]() 山門(鐘楼門)、二層は鐘楼となっている。 ![]() 解脱山の扁額 ![]() 石標には禅華庵とあった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 石垣、穴太衆積? ![]() 山門の鐘楼部分 ![]() 下から見た梵鐘 ![]() |
修学院離宮の南西に位置する禅華院(ぜんけいん/ぜんげいん)は、山号は解脱山(げだつさん)という。 臨済宗大徳寺派、本尊は釈迦如来。 ◆歴史年表 年代不詳、かつて天台宗であり、比叡山三千坊の一つだったという。この地一帯は、比叡山の西側にあり、大津市の坂本(東坂本)に対して西坂本(西の坂本)といわれ、延暦寺の末寺が多数存在していたという。 江戸時代、寛永年間(1624-1643)、大徳寺第170世・清厳宗謂により中興された。 現代、1977年、雲母坂地蔵2体が比叡山雲母坂より当院に遷された。 ◆清巌 安土・桃山時代-江戸時代前期の臨済宗の僧・清巌宗渭(せいがん-そうい、1588-1661)。俗姓は佐々木、号は自笑、孤陋(ころう)、諡号は清浄本然禅師。近江(滋賀県)の生まれ。9歳で玉甫紹琮のもとで得度、兄弟子・賢谷宗良に学び、玉穂の法嗣となる。大徳寺第170世住持。堺の南宗寺塔頭徳泉庵・臨江庵のほか、東海、伊賀、九州などで各寺を開創した。書は中国南宋の張即之の影響をく受け、茶掛として珍重される。著『清巌禅師十八ケ条』(茶事の心得)。74歳。 千利休の孫・千宗旦(1578-1658)参禅の師で、裏千家の茶室「今日庵」の名は清巌に由来するという。清巌は、宗旦が招いた茶席に遅れる。宗旦は、清巌に翌日再訪することを求め外出した。清巌は「懈怠比丘不期明日(懈怠の比丘明日を期せず、怠け者の出家修行者に明日を期待しない)」と書き置いて帰る。宗旦は、「今日今日といひてその日をくらしぬる あすのいのちは兎にも角にも(今日の一日を大事に過ごさなければならない、明日の命はさておいて)」という一首を献じて詫びた。この一件に因み、「今日庵」と命名したという。 ◆仏像 ◈本堂の本尊の「釈迦如来」、左右脇侍に「地蔵菩薩」、「観音菩薩」を安置する。 ◈楠木正成(?-1336)の信仰があったという「圓通観音」、毘沙門天・弁才天と合体した「三面大黒天」も安置されている。 ◆石仏 境内にいくつもの石仏が各所から遷されている。 ◈最も古いものは、「雲母(きらら)坂地蔵」といわれる「弥勒菩薩坐像」、「阿弥陀如来」の2体になる。石仏の背に平安時代後期、「大治元年五月八日」(1126年)の銘がある。かつて、雲母坂の登り口、音羽谷にあった雲母寺(きららじ/うんもじ)に安置されていた。寺は、平安時代末期の元慶年間(877-884)、天台宗の相応により創建され、比叡山延暦寺に属した。近代以降、1885年に廃寺になり、石仏は、1977年に当院に遷されたという。 ◈雲母坂地蔵の「弥勒菩薩坐像」(66㎝)は、右手は施無畏印、左手は触地印を結ぶ。向背は丸味のある舟形で背後に、平安時代「大治元年(1126年)五月八日」の銘がある。花崗岩製。 ◈雲母坂地蔵の「阿弥陀如来坐像」(60㎝)は、定印、光背は二重円光。花崗岩製。 ◈鎌倉時代後期の等身大の「石仏」2体は、隣接する修学院離宮の田園の中にあったものが遷されたという。 ◈「阿弥陀如来坐像」(180㎝)は、定印を結び、結跏趺坐する。厚肉彫、光背は二重円光、花崗岩製。 ◈「地蔵菩薩坐像」(166㎝)は、錫杖、宝珠を持ち蓮華坐に結跏趺坐する。厚肉彫、花崗岩製。 ◈ほかに「阿弥陀如来立像」は、光背の高さは136㎝ある。「釈迦如来坐像」(97㎝)、「弥勒菩薩立像」(118㎝)、「阿弥陀如来立像」、「弥勒菩薩坐像」、「薬師如来立像」、「大日石仏」などがある。 ◆建築 ◈「山門(鐘楼門)」の二層は、鐘楼になっている。江戸時代、1826年、修学院離宮(中御茶屋)の建物を移築し、修復した。 ◈「本堂」は、昭和御大典御(1928)の際の建物の一部を移築し、翌1929年に再建された。 ◆庭園 庭は江戸時代初期の大名茶人・小堀遠州(1579-1647)作ともいう。 ◆紅葉 境内に数本の楓があり、紅葉も知られている。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都・山城寺院神社大事典』、『昭和京都名所図会 3 洛北』、『京都の寺社505を歩く 上』、『新版 京のお地蔵さん』 、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() 庫裏 |
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![]() 境内 |
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![]() 数多くの石仏が祀られている。 ![]() 左から阿弥陀如来立像、釈迦如来坐像、弥勒菩薩立像 |
![]() ![]() 雲母坂地蔵、弥勒菩薩坐像、向背背後に銘がある。「大治元年(1126)五月八日」と読める。像高66㎝。1977年に当寺に遷された。 |
![]() 雲母坂地蔵、阿弥陀如来坐像 |
![]() 阿弥陀如来坐像、鎌倉時代後期 |
![]() 地蔵菩薩坐像、鎌倉時代 |
![]() 阿弥陀如来立像 |
![]() 弥勒菩薩坐像 |
![]() 薬師如来立像 |
![]() 大日石仏 |
![]() 大日石仏前の燈籠 |
![]() 境内には数多くの小さな石仏も置かれている。 |
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![]() 五輪塔 |
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![]() 地神、大山弁財天 |
![]() 庭園、本堂 |
![]() 槇の大木 |
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![]() 【参照】境内近くの修学院周辺、東の景観、左が比叡山 |
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