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石座神社 (京都市左京区) Iwakura-jinja Shrine |
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石座神社 | 石座神社 |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 手水舎 ![]() 八所明神本殿(右)と十二所明神本殿 ![]() 岩倉家から奉納された灯籠 ![]() ![]() 右から出雲神社、貴船神社、熊野神社 ![]() ![]() 一言社 ![]() 一言社 ![]() 右から猿田彦神社、愛宕神社 ![]() 右から稲荷神社、鹿○神社、香取神社 ![]() 宮座 ![]() 宮座 |
岩倉(いわくら)にある石座神社(いわくら-じんじゃ)は、旧岩倉村の産土神として信仰された。近代以前は、大雲寺の鎮守社として祀られ、石座神社ではなく「八所明神」、「十二所明神社」と称された。一帯は、京都市指定文化財環境保全地区に指定されている。 祭神は、東社に八所大明神(石座、新羅、八幡、山王、春日、住吉、松尾、賀茂)、また、天照大神(あまてらすおおみかみ)ほか7神ともいう。西社に、十二所大明神(八所、伊勢、平野、貴船、稻荷など)12神、また天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)ほか11神ともいう。旧村社。 ◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。 平安時代、997年、慶祚(けいそ)阿闍梨により八所明神(石座明神ほか七所)が大雲寺勧請され、八所大明神と号した。その後、さらに伊勢ほか4神が合祀され、十二所明神が祀られた。(『山城名跡巡行志』)。以後、「八所・十二所明神社」と呼ばれ、鎮守の神になる。 室町時代、1547年、兵火で焼失した。 安土・桃山時代、1592年、社殿が造営されている。 江戸時代、1766年、改造営されている。 近代以前、大雲寺の鎮守社だった。 近代以降、八所・十二所明神社から「石座神社」へ改称された。 1878年、猿田彦社、一言主社が石座神社に合祀された。 ◆一言主社 境内にある摂社・一言主(ひとことぬし)神社の祭神は、一言主大神という。凶事、吉事を一言で予言し、実現する神とされる。地域では、願い事を一言だけ聞いてくれる神として知られている。 一言主神社の総本社は、奈良県御所市にある。賀茂氏の本拠地である高鴨神社近くになる。賀茂氏の北上に伴い、一言主神を祀る人々もこの地に移動してきたとみられている。 社はかつて、南東150mの正水山(しょうずやま/ せいすいやま)にあったという。元の社殿は、後水尾天皇中宮・東福門院和子が、江戸時代、1668年に再興したという。(『京都府愛宕郡志』) 近代、1878年に石座神社(現在地)に合祀された。1973年、祠も当社に遷された。 ◆猿田彦社 摂社・猿田彦社の祭神は、猿田彦神、愛宕神を祀る。かつて万年岡に鎮座した。近代、1878年に石座神社(現在地)に合祀された。 ◆建築 並立して建つ「八所明神本殿」(右側)と「十二所明神本殿」(左側)は、一間社流造で、京都でも極めて珍しい宮座の建物を残すという。勾欄に安土・桃山時代「天正二十年(1592年)」の銘のある擬宝珠がある。 宮座とは、近畿、中国、九州地方にみられる氏子による祭祀を行う特定集団をいう。 ◆石造物 本殿前に2基の石燈籠が立つ。江戸時代、「慶長十九年(1614年)」「北岩座山十二所大明神石灯炉」の銘がある。 ◆岩倉具視 公家・岩倉具視(1825-1883)が、岩倉に隠れ住んだ時期に、当社に度々参詣していたという。 近代、岩倉家は当社に石灯籠を寄進したという。 ◆岩倉火祭 毎年10月23日に近い土曜日に岩倉火祭(京都市登録無形民俗文化財)が催される。かつて、村人を苦しめた大蛇退治のために、大蛇に見立てた大松明に火をつけ、炎で退治する意味がある。五穀豊穣祈念の神事でもある。 祭りは氏子6町で執り行われる。松明作りには、2町(中在地町、忠在地町)のみが携わる。材は、樫、躑躅の柴で作られ、外側を竹で覆う。燃えると竹が爆ぜる。さらに、松明は化粧藁縄で独特の結びで縛られる。 夜半、午前2時頃の松明神事から始まり、神前の燈火を雌雄の大蛇に見立て、2つの大松明に点火する。松明のどちらが先に燃え尽きるかを競う。松明の火が燃え尽きる夜明け前、神輿は出発し、氏子各所を巡り、午前5時半頃、神輿御旅所(山住神社)へ向かう。 昼神事は、再び御旅所から神輿を迎え、神事に続き、女性の踊り子8人による「岩倉史謡踊(しようおどり)」が奉納される。岩倉具視が、かつて岩倉の旧宅に少女を招いて、庭で盆踊りを催したという逸話に因んでいる。「やふれ柴のここから射した 明治維新の朝日の光 公(具視)を憶(おも)へは只涙」と歌う。 ◆年間行事 岩倉火祭(10月23日に近い土曜日)。 *年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『京都・山城寺院神社大事典』、『京都大事典』、『京都の寺社505を歩く 上』、『京都の地名検証 2』、『昭和京都名所図会 3 洛北』、『大雲寺堂社旧跡纂要』 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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![]() 砂山 |
![]() 岩倉火祭 |
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