電子基準点(京都左京2) (京都市左京区)  
GNSS-based control station
電子基準点 電子基準点
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電子基準点


電子基準点のピラー
 京都市宝が池公園運動施設の南西角に、「電子基準点(でんし-きじゅんてん)」の「京都左京2」が設置されている。現在、全国約1300カ所に設置されている観測施設の一つになる。
 電子基準点は、建設省国土地理院(茨城県つくば市)が管理しており、測量・スマートフォン・カーナビなどの位置情報の基準にもなっている。
◆歴史年表 現代、2018年、11月より、衛星測位システム「みちびき」4機が運用されている。  
◆電子基準点の装置 電子基準点の外観はステンレス製ピラー(筒、高さ5m)で、上部に衛星からの電波を受信するアンテナ部がある。なお、外観には様々なものがある。
 内部には受信機・有線通信装置・無線通信装置・電源監視装置・傾斜計・無停電電源装置・蓄電池などが格納されている。
 基礎部には、「電子基準点付属標」と呼ばれる金属標が設置され、トータルステーションなどを用いる基準点として測量にも利用できる。
 各基準点では測位衛星からの電波を受信し、通信回線を通じ1秒毎に位置情報を国土地理院の観測センターに送信している。観測データはここで処理され、座標値を㎝級の精度で算出している。
◆電子基準点 電子基準点とは、国土地理院が管理する国家基準点の1つであり、日本の位置基準である「国家座標」に整合する。現在、電子基準点は全国の約1,300カ所に設置され、陸域を約20km間隔で覆っている。京都府下にも複数設置されている。
 国家座標とは、その国の位置基準になり、緯度・経度・高さなどで位置を表す場合の基準値になる。日本では、測量法により測量の基準が決められている。国家座標は、測量・航空機・船舶の測位、カーナビ・自動運転・スマート農業・スマートフォン・腕時計などにも利用され、位置情報の基準になっている。
 電子基準点は、GNSS連続観測点(GEОNET)を構成している。このGNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)は、衛星測位システムをいう。GNSS衛星には、日本のQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)のほか、アメリカ合衆国のGPS(Global Positioning System, Global Positioning Satellite)、EUのGalileo、ロシアのGLONASS、中国の北斗などがある。
 日本でのシステムの原型はGPS連続観測網であり、現代、1994年までに全国に100地点、関東・東海に110地点整備された。1995年の兵庫県南部地震に伴う地殻変動観測で効果をあげ、1996年に610地点まで増強された。2000年の北海道・有珠山噴火では、住民避難の判断材料の一つになった。
 日本の衛星測位システムの衛星「QZSS(みちびき)」は、日本上空2万kmを周回しており、長く滞在する準天頂軌道の衛星が主体になり構成されている。2018年11月からは4機が運用されている。現在のみちびきは、アジア・オセアニア地域のみを対象としており、RNSS(Regional Navigation Satellite System、地域航法衛星システム)に含まれる場合もある。 また、同様な特定地域向けとしてインドのNavICも知られている。
 電子基準点は衛星が発信する電波を受信・観測し、データは毎日、国土地理院に送られている。ここで、各地点の位置決定のためのデータ蓄積・解析・提供を行っている。GNSSを使用した測位としては、土地測量・地図作成、地球科学、天気予報にも利用される。電子基準点の変化としての観測データは、地震・火山活動などにともなう地殻変動を通じ、災害予知のための基礎資料としても活用されている。
 京都府では電子基準点が20地点に設置されており、京都市内ではほかに京北・左京(花脊)2カ所・西京・伏見、府下では丹後・網野・久美浜・宮津・舞鶴・ 綾部 ・ 福知山2カ所・美山・瑞穂・亀岡・宇治・加茂などに置かれている。
 

年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
参考文献・資料 『京都の災害をめぐる』、ウェブサイト「国土交通省国土地理院」、説明プレート、ウェブサイト「内閣府」、ウェブサイト「コトバンク」


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map 電子基準点 京都左京2 〒606-0923 京都市左京区松ケ崎東池ノ内町2
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