法輪寺 (京都市下京区)  
Hourin-ji Temple
法輪寺 
法輪寺
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「法輪寺 本願寺学林 能化代役戒雲上人 御往生之地」と刻まれている。












【参照】「柳町」の町名


【参照】付近北の「学林町」の町名
 西本願寺(本願寺)の門前町である柳町(やなぎ-ちょう)に法輪寺(ほうりん-じ)はある。
 浄土真宗本願寺派、本尊は阿弥陀如来を安置している。
◆歴史年表 江戸時代、1624年、本願寺12代門主・准如から法輪坊の寺号が与えられ、本願寺塔頭になる。初代住持は戒雲による。
 1693年、戒雲により築後郡(福岡県)鞍手(くらて)村下境村に創建され、その後、京都柳町に移されたともいう。
 1762年、山川町にあったという。(『京町鑑』)
 1864年、蛤御門の変(禁門の変)で、全焼失した。
 慶応年間(1865-1868)、現在の本堂が再建されている。
◆戒雲 江戸時代前期の戒雲(?-?)。詳細不明。男性。豊前・豊後の守護・鎮西奉行・大友能直の裔孫という。1624年、法輪寺の初代住持になる。本願寺最高学府の学林で能化(のうけ、学頭)代役に任じられた。法輪寺で没した。
◆本尊 本尊の「阿弥陀如来像」は、江戸時代後期、1864年の蛤御門の変(禁門の変)で、井戸に投じられ救われたという。
◆建築 現在の本堂は、江戸時代後期、慶応年間(1865-1868)に再建された。「座敷御堂(ざしき-みどう)」と呼ばれる。独特の様式であり、ほかの浄土真宗本堂に例は少ない。
 佇まいは古民家のようであり、外陣左側に茶室、右側に広間(6畳)・座敷(10畳)が配されている。本堂とともに門信徒・客人をもてなす座敷が一体化している。
 茶室は瑞・行・相を表現する床(1間半)を東面に配している。行面前に炉を切り、上座床の形式で亭主がお点前をする。天井は落天井であり、竿縁天井・化粧屋根裏になる。柱には古材を用いている。
 座敷は南向きに狆潜り(ちんくぐり、床の間の横壁下が開けられている、犬潜り)の床の間、床柱は細めの柱原木を用いている。床面には檜の一枚板を張る。
 内陣は2間4面の床敷・左右の畳敷の余間からなる。天井は白木の格天井になる。茶室の侘び・錆びとの調和を意図し、本来の浄土真宗に見られる極彩色装飾を避けた質素な構成になっている。
 本堂は正面4間、奥行2間。
◆文化財 ◈「聖徳太子絵像」。
 ◈「教興院殿良如上人絵像」。
 ◈良如上人開版「御文章」。
 ◈陳善院僧僕講義筆録「正信偈五部評林」。
 ◈「蓮如上人三百五十回忌記念内敷」。
◆法輪寺 西本願寺の塔頭の一つである法輪寺は、門主とともに法務を行う「御堂衆」だった。
 歴代住持は地方末寺統括・幕府・諸大名への政務を司る「別院輪番」を務めていた。
◆学林 江戸時代前期、1639年に、本願寺(西本願寺)第13代・良如宗主が本山の阿弥陀堂の北に、僧侶の教育機関として学寮を創設した。
 講堂の惣集会所、その東北に所化(しょけ、学生)寮があった。1647年に学寮は、本山敷地外の西侍町(場所は不明)に移転する。1652年には、興正寺の南(現在の興正会館付近)に再移転する。1655年、幕命により学寮が破却されたのは、興正寺と本願寺との間で宗義騒動があり、幕府の調停により各々に処分が下されたことによる。その後、町医者の揚屋敷(東中筋、現・学林町付近)を本山が借り受け、仮の学寮とし講義は続けられた。以後、学寮と名乗る事はできず、通称の「学林」と呼ばれた。 この時、講堂・大門・食堂・寮などがあった。
 江戸時代後期、1788年の天明の大火により学林は全焼する。その後、本山集会所を仮学舎として借用し、1792年、講堂が再建された。1825年には新寮の建立に続き、南寮・北寮・東寮・勧学寮なども増築された。1864年の蛤御門の変で、学林も焼失する。以後は、本山北集会所を講堂として利用する。1865年に、新撰組の屯所になり、南集会所へ移転した。1866年、学林町に仮講堂・寮舎が完成し復興をめざしている。この頃、本山財政が逼迫していた。
 近代、1871年に、官命により学林敷地の上納が下された。1879年に、本願寺家老職・歴代門主に仕えてきた下間(しもつま)家屋敷に、大教校としての大宮学舎(龍谷大学の前身)が建学された。


年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
参考文献・資料 『拝観之手引-第59回京都非公開文化財特別公開京都』、『京都市の地名』、ウェブサイト「学舎の370年古都・湖都 歩く 学舎の370年をたどる - 龍谷大学」、ウェブサイト「コトバンク」


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map 法輪寺 〒600-8344 京都市下京区柳町317,東中筋通花屋町下ル
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