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長慶院 〔妙心寺〕 (京都市右京区) Choke-in Temple |
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長慶院 | 長慶院 |
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妙心寺境内の北東に塔頭・長慶院(ちょうけい-いん)がある。北政所(おね)の姉・長慶院殿ゆかりの寺院になる。 臨済宗妙心寺派。聖沢派塔頭の一つ。 ◆歴史年表 安土・桃山時代、1600年、長慶院殿(くま)は、亡き夫・三折全友の追悼のために、開祖に妙心寺71世・東漸宗震(とうぜん-そうしん)を迎え妙心寺塔頭として創建した。 江戸時代、1624年、旧8月、長慶院殿(くま)が亡くなり、葬られる。 1662年、林豁(りんかつ)が寮舎として、取正庵(しゅしょう-あん、収正庵[しゅうしょうあん] とも)を建立する。 1680年、5世・卓宗(たくじゅう/ていそう)が再興した。 近代、1878年、荒廃する。相楽郡の末寺・妙法寺(みょうほう-じ)と合併した。伽藍が移築され、本堂を取畳み(とりたたみ、建物の廃止・取り壊し)した。院号を廃し、「妙法寺」に改めた。建物、土地一切が妙法寺所有になる。 1905年、「長慶院」に復した。 ◆東漸 宗震 室町時代後期-安土・桃山時代の臨済宗の僧・東漸 宗震(とうぜん-そうしん、1532-1602)。男性。号は東漸。美濃(岐阜県)の生まれ。以安禅師に入門、参禅する。若狭・発心寺、播磨・随鴎寺住職になり、紫衣を賜う。妙心寺71世になった。北政所の姉・長慶院殿(杉原くま)に請われ、1600年、妙心寺・長慶院を創建した。北政所も帰依し、高台寺開山に請じたが固辞した。聖沢派8祖中の6祖になる。71歳。 ◆長慶院 安土・桃山時代-江戸時代前期の長慶院(ちょうけいいん、?-1624)。詳細不明。女性。杉原くま、長慶院殿。父・杉原定利、母・朝日殿。兄は木下家定、妹におね(北政所、豊臣秀吉の室)、やや(長生院、浅野長政の室)。医者・三折全友(さんせつ-ぜんゆう、杏林院殿)と結婚した。1618年、1622年、病床に臥したおねを看病した。 墓は長慶院(右京区)にある。法名「長慶院殿松岳(嶽)寿保大姉」。 ◆三折全友 安土・桃山時代の医師・三折全友(?-1598)。詳細不明。男性。妻は長慶院殿(くま)。 墓は妙心寺・長慶院(右京区)にある。 ◆林豁 江戸時代の臨済宗の僧・林豁(りんかつ、 ?-?)。詳細不明。1662年、長慶院に寮舎を建立したという。 ◆卓宗 江戸時代前期の臨済宗の僧・卓宗(たくじゅう/ていそう)。詳細不明。長慶院5世になる。1680年、再興する。 ◆建築 現存の門は、伏見城の東門という。 ◆文化財 ◈「東漸宗震像」、「長慶院像」がある。 ◈長慶院殿が用いていた食膳類がある。太閤桐が記されている。 ◆くま・おね 安土・桃山時代、1598年にくま(長慶院殿、?-1624)の夫・三折全友(?-1598)は亡くなる。妹・おね(北政所、1549-1624)も同年に夫・豊臣秀吉(1537-1598)を失っている。1600年に、くまは妙心寺に塔頭・長慶院を開きその菩提を弔った。1606年におねは高台寺を建立する。1608年には兄・木下家定(1543-1608)が亡くなり、1616年には妹・やや(?-1616)も相次いで亡くなった。 以後、くまは、唯一残った妹・おねの高台寺を度々訪れるようになる。1618年におねは病に倒れ、くまは、家定の子・利房(1573-1637)、延俊(1577-1642)らと看病を行った。くまは、吉田神社斎場所大元宮に病平癒の祈願もしている。その後、おねは一時快方に向かう。他方、くまは看病疲れから病になる。 1622年に再びおねの容態が悪化し、くまは高台寺に泊まりながら看病を続けた。1624年旧9月6日に、その甲斐なくおねは亡くなった。翌1625年旧1月23日に、くまも後を追うように没している。 ◆Sottoの縁がわ 長慶院は、2005年4月より、悩みを抱える人たちが気軽に立ち寄れる居場所「Sottoの縁がわ」の会場の一つになった。心の居場所をめざすNPO法人「京都自死・自殺相談センターSotto」の設立15年目を迎えての取り組みになる。Sottoの縁がわは、月1回、当院などで開かれている。 ◆草花 フジ棚がある。 ◆墓 三折全友、長慶院殿の墓がある。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『妙心寺』、『妙心寺 六百五十年の歩み』、『昭和京都名所図会 4 洛西』、『京都大事典』 、『京都戦国武将の寺をゆく』、ウェブサイト「朝日新聞 2025年9月14日」、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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