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貴船 (京都市左京区) Kibune |
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![]() 貴船川、「五月雨は岩波洗ふ貴船川 河社とは是にぞありける」藤原俊成(玄玉和歌集) ![]() 右、鞍馬川、左、貴船川の合流点、貴船口駅付近
![]() 【参照】キブネダイオウ、京都府立植物園(7月中旬 ![]() キブネダイオウ ![]() ![]() |
左京区北西の貴船(きぶね)は、貴船川と鞍馬川が合流する貴船口の北、貴船川に沿う谷間をいう。一帯に貴船神社が祀られている。「きぶね」は、「木船」、「貴布禰」とも記された。これらの語源は、「木生根」、木生嶺よりの転訛といわれている。 ◆歴史年表 古来、水神を司る貴船神社が祀られた。 近世、丹波街道が通じた。 近代、1889年、貴船は鞍馬村に編入になる。 1949年、京都市に編入される。 ◆貴船川 貴船神社の境内、参道に沿って流れる貴船川(きぶねがわ)は、貴船の御手洗川とも呼ばれた。芹生(せりょう)峠を源とし、全長6km。鴨川の水源地のひとつとなっている。 貴船川は、花背峠から発した鞍馬川と貴船口で合流する。鞍馬川となり、静原川、市原川の流れを加えて鴨川に合流する。 藤原孝之は「雲深き 山の中行く貴船川 さすがに残る 瀬々の岩波」と詠んだ。 ◆森 貴船川一帯の山には、ケヤキ、モミ、シキミ、トチノキなどの原生林がある。貴船の森にはさらに、カツラ、カシ、ツガなどが見られる。 スギ、ヒノキなどの植林が行われている。「古事の森」の取り組みは、木造建造物の維持修復に必要な、100年から400年の木を育てるという計画になる。「木の文化」を護る試みとして、鞍馬山国有林で、ボランティアの協力による植林が行われている。 ◆生物 貴船は、日本有数の昆虫の観察地としても知られている。蝶のスギタニルリシジミが1918年に発見された。幼虫はトチノキの花を好む。 ギフチョウやそのほか、セミ、ガ、ホタルなども生息する。鞍馬、貴船一帯の北山は、特異な生態を有するモリアオガエル、一億年前の中生代に栄えた「生きている化石」、ムカシトンボが生育する。貴船川には、アユ、アマゴ、カジカガエルも生息する。 貴船川流域に自生していた希少種キブネダイオウは、タデ科の多年草で高さ1mほどになる。1905年に植物学者・牧野富太郎により発見された。貴船川流域のほか、岡山県にのみ自生する。ただ、ネパール、中国奥地、インド、ジャワ、西アジアなどに同様のルメックス・ネパーレンセが分布しており、キブネダイオウはその変種といわれている。その後、貴船川流域では絶滅したとみられていた。2000年に再発見され、現在は京都府立植物園で貴船での自然環境に戻すために栽培が行われている。境省のレッドリストでは「絶滅危惧ⅠB類」に指定された。 秋に紅紫色の花を咲かせるキンポウゲ科の多年草キフネギク(シュウメイギク)などが見つかっている。 ◆加茂川石 鴨川流域では「加茂川石」「加茂石」が名石として知られ、庭石として重宝された。「加茂の七石」としては、貴船川の「貴船石」「畚下(ふごおろし)石」がある。 貴船、鞍馬、芹生などで貴船石(きぶねいし)を産した。庭石、水石として用いられた。紫、青、五色などがあり、玄武岩質火山岩、火山砕屑石になる。これらは、古生代二畳紀(2億年前)に海底で生成された。 ◆サクラ 貴船、鞍馬は平安時代からサクラの名所として知られている。古くは「雲珠桜(うずざくら)」(馬の鞍飾り)と呼ばれていた。 *参考文献 『京都府の不思議事典』『総合ガイド1 鞍馬山/貴船渓谷』『京都大事典』 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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![]() 川床が開かれる貴船川、1930年に始まり、アマゴ料理が名物だった。また、大正期(1912-1926)、料理旅館「ふじや」より始まり、川の流れに足をひたして茶を飲んだ。その後、1960年代に現在の料理を提供する形に変化したという。 |
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![]() 蛍岩と貴船川 |
![]() 貴船川のホタル、中央付近にかすかに光る一匹。ここでも、近年数が減っていると聞く。(2007.6) |
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![]() ヒノキ苗木の植林地、古事の森 |
![]() 古事の森から、貴船山の眺望 |
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