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  一心院 (京都市東山区)
Isshin-in Temple
一心院 一心院 
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 知恩境内より華頂山に続く石段の智慧乃道を登った右手、山腹に築かれた石垣の上に一心院(いっしんいん)は建つ。山号は群仙山という。 
 浄土宗捨世派の本山(本寺)、本尊は絹本著色阿弥陀如来を安置する。
 四十八願寺の第29願。
◆歴史年表 室町時代、1548年、縁誉称念は知恩院祖廟の南隣に草庵を結び六時念仏を行う。信徒が堂舎を建立し、開基を称念とした。当初より隣接する知恩院との関わりが深かった。
 1553年、称念は知恩院御影堂で毎月、二十四日夜不断念仏の行を始める。
 1565年、青蓮院宮より境内地、御供養料18石を贈られる。
 江戸時代、尊光法親王(1645-1680)の帰依により華頂宮の菩提所になる。
 元禄年間(1688-1704)、100か寺を超える末寺を有した。その後、派内争いが起こる。
 享保(1716-1736)末年-元文(1736-1741)、山内整備される。
 1735年、「一心院」命名の4代・華頂宮尊胤より「一心院」の扁額を贈られる。
 1839年、6代・知恩院門室の尊超入道親王より「群仙山」の扁額を贈られる。
 近代、1879年、知恩院の所轄になる。
 1893年、常誉諦基により興され、知恩院塔頭より離れる。
 1919年、新築される。
 1932年、改築される。
◆称念 室町時代の浄土宗の僧・称念(しょうねん、1513-1554)。武蔵国に生まれた。号は三蓮社縁誉。8歳で江戸・増上寺の親誉により剃髪、下総国飯沼・弘経寺の鎮誉に師事し浄土教学を学ぶ。江戸に天智庵を開創した。京都・黒谷に移り、1584年、青蓮院尊鎮親王の帰依により境内地を贈られ庵を結んだ。「念仏道場七箇条」「別時念仏十一箇条」などの掟を定めた。一心院で専修念仏に努める。浄土宗捨世派の祖。
 47ほどの寺院を創立したという。京都では当院ほかに、市原の専称庵、上嵯峨の称念寺、下嵯峨の正定院、桂の極楽寺などがある。一心院で亡くなる。
◆尊光法親王 江戸時代の皇族・尊光法親王(そんこう ほうしんのう、1645-1680)。第108代・後水尾天皇の第12皇子、母は四辻大納言季継の女・中納言局藤原継子。知恩院宮門跡第2代。1651年、徳川家光の猶子になり知恩院に入る。1654年、親王宣下。1656年、知恩院第35世勝譽旧応を戒師として入室得度、改衣。1662年、増上寺の頓譽知哲より受法した。1666年、後水尾上皇に一枚起請文を講じた。1679年、二品に叙せられた。
◆高芙蓉 江戸時代中期の儒学者・高芙蓉(こう ふよう、1722-1784)。甲州に生まれた。父の尤軒は長田徳本流の医師。当初は幕医・武田長春院の塾に通う。その後、京都で儒学、坊城菅公に有職故実を習う。中国古典、漢詩、画家、多篆刻家を学び、印章制度を確立し印聖とされた。池大雅ら多くの文人と交わる。1784年常陸宍戸藩の松平頼救の招聘に応じ、江戸に赴き病により急逝した。小石川無量院、後に芝天徳寺に移葬された。一心院にも墓碑がある。
◆塩川文麟 江戸時代後期-近代の画家・塩川文麟(しおかわ ぶんりん、1801-1877)。京都に生まれた。父が仕えた安井門跡(蓮華光院)の侍臣。画家・岡本豊彦に入門。山水画を得意にした。1855年、安政の御所造営で新内裏に襖絵を制作した。1868年、如雲社を主宰。幸野楳嶺など門下がいる。一心院に葬られた。代表作「蛍図屏風」。
◆本尊 本尊の絹本著色阿弥陀如来像(重文)は、平安時代作で安阿弥陀作という。かつて、青蓮院の護摩堂に安置されていたものという。
◆山号 山号の「群仙山」には逸話が残されている。江戸時代、1838年の夜、知恩院門主・尊超入道親王の夢中に白鶴の群れが現れ、一心院の裏山を飛来したことから、山号を「群仙山」とした。自ら揮毫し額字を作らせた。
◆文化財 本尊の絹本著色阿弥陀如来像(重文)は、京都国立博物館寄託されている。
 「称念上人行状記」二巻。
◆墓 墓地には2代・華頂宮から6代の墓があるとの記述もあるが、華頂宮は華頂宮博忠王で断絶している。
 2代・華頂宮博厚親王(かちょうのみや ひろあつしんのう、1875-1883)、帥海軍大将の3代・伏見宮博恭王(ふしみのみや ひろやすおう、1875-1946)。
 海軍中尉の華頂宮博忠王(かちょうのみや ひろただおう、1902-1924)。
 江戸時代の画家・塩川文麟、儒者・高芙蓉の墓がある。


*非公開
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』



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智慧乃道
 一心院 〒605-0062 京都市東山区林下町457   075-561-1012
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