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| 西賀茂橋 (京都市北区) Nishigamo-hashi Bridge |
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| 西賀茂橋 | 西賀茂橋 |
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![]() 独特の橋の曲線美、船山など背後の山との相似性と調和、色調は青灰色。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 波を象る欄干の光琳模様 ![]() 桁 ![]() ![]() 東詰 ![]() 東詰 ![]() すぐ下流にある飛び石 ![]() 下流、左奥に船山 ![]() 下流 |
鴨川の上流、北に北山、北西に五山送り火の一つ「船形万燈籠」の船山(西賀茂舟山、妙見山)を望む地に西賀茂橋(にしかも-はし)は架かる。 ◆歴史年表 現代、1991年、6月、橋は竣工した。設計は、建築家・川崎清による。 ◆川崎 清 近現代の建築家・川崎 清(かわさき-きよし、1932-2018)。男性。新潟県の生まれ。1951年、県立三条高等学校を卒業後、京都大学理学部に進学し、後、工学部建築学科に転じた。建築家で同科の増田友也に師事する。1955年、大学卒業後、1958年、京都大学大学院博士課程を退学し、同大学建築学科講師に着任する。1964年、京都大学工学部助教授、1970年、大阪大学工学部環境工学科助教授になった。同年、日本建築学会万国博特別賞を受賞した。大阪万博の閉幕後、京都市内に個人事務所「環境・建築研究所」を設立し、建築が存在する「環境」に主眼を置いた設計活動を展開する。1971年、京都大学より工学博士の学位を取得し、1972年、大阪大学工学部環境工学科教授になった。1973年、芸術選奨文部大臣賞を受賞する。1974年-1983年、 大阪市立大学非常勤講師、1983年、京都大学工学部教授に就いた。1988年、建築業協会賞を受賞する。1996年-2003年、立命館大学理工学部環境システム工学科教授になる。1996年、京都デザイン賞を受賞した。2011年、瑞宝中綬章を授賞する。主著『仕組まれた意匠-京都空間の研究』『空間の風景-川崎清建築作品集-』など。86歳。 早くからモダニズム建築の旗手として注目された。作品としては、後楽園植物温室(1964)、大津柳ヶ崎浄水場(1965)、京都市美術館収蔵庫(1971)、栃木県立美術館(1972)、徳島県文化の森総合公園(1990)、京都市勧業館みやこめっせ(1996)、ほか、旧緒方洪庵住宅(適塾)の修復整備(1981)、旧京都帝国大学本館(百周年時計台記念館)の保存再生(2003)、信楽町のまちづくりなどにも関わり、JR京都駅改築国際設計競技(1989)では委員長になった。 ◆尾形 光琳 江戸時代前期-中期の画家・尾形 光琳(おがた-こうりん、1658-1716)。男性。名は惟富、伊亮、方祝、幼名は市之丞、別号は道祟、寂明、長江軒、道号は日受。父・京都の呉服商・雁金屋(かりがねや)の尾形宗謙の次男。弟は陶芸家の尾形乾山、曾祖父・道柏の妻は本阿弥光悦の姉。少年時代から能楽、茶道、書道などに親しんだ。父、山本素軒より狩野派の画法を学んだ。1687年、父の遺産を相続する。35歳頃より光琳と称した。30歳代の終りより画家になる。1701年、法橋に叙せられた。1704年、江戸に一度出る。「中村内蔵助像」を描く。1709年、京都に戻る。作品に、繰り返される絵柄で構成された「燕子花図屏風」(国宝、18世紀前半)。宗達を模写し、宗達の「風神雷神図屏風」を意識した傑作「紅白梅図屏風」(国宝、18世紀前半)などがある。本格的な画業を始めたのは、晩年の20年ほどだった。屏風絵のほか、香包、扇面、団扇、小袖、蒔絵、水墨画など幅広く手がけている。59歳。 妙顕寺・興善院に葬られた。 ◆設計 現在の西賀茂橋は、現代、1991年6月に建築家・川崎清(1932-2018)の設計により架橋された。 周辺の自然景観との調和をはかるために、独特の曲線美により船山など背後の山との相似性を意識し調和させている。色調は青灰色の抑えた色になっている。護岸は川へ降りることのできる階段式になっている。小さな飛び石も橋の下流に設けられ、さらに親水性が加えられている。 欄干は、江戸時代中期の京都の絵師・工芸家の尾形光琳(1658-1716)の描いた波のイメージである「光琳模様」風の意匠になっている。光琳には鴨川を描いた元禄年間(1688-1704)の焼物「橋と加茂川図水指」(住友資料館)がある。背部には弟・乾山(1663-1743)の和歌「すみわたる 空にもみぢの色はえて 加茂のながれに 秋わきにけり」が書かれている。 橋種は3径間連続鋼プレートガーター(床板RC床版部+鋼床版部)、橋長78m、幅員15m。 ◆アニメ ◈アニメーション『有頂天家族』『有頂天家族2』(原作・森見登美彦、監督・吉原正行 、制作・P.A.WORKS、第1期2013年7月-9月、全13話、第2期2017年4月-6月、全12話)の舞台になった。第2期第5話に東詰付近が登場する。 *参考文献・資料 『京の橋ものがたり』、『京都水ものがたり 平安京一二〇〇年を歩く』 、ウェブサイト「川崎 清 + 環境・建築研究所」、ウェブサイト「東文研アーカイブデータベース」、ウェブサイト「コトバンク」 |
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