|
|
八角堂(八角院) (京都府八幡市) Hakkakudo |
|
八角堂(八角院) | 八角堂(八角院) |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() 「西車塚跡 国寶乾漆阿弥陀像 同元横川元三大師像 八角院」と刻まれた石碑、古墳下に立つ。三宅安兵衛の1927年の建立による。 ![]() 八角堂(八角院) ![]() 梵字 ![]() 地蔵堂、地蔵尊を祀る。 ![]() 「車塚」の石碑 ![]() 「丹波之阿治佐波昆宝命御墓参為地」の石標 ![]() 【参照】旧阿弥陀如来坐像 |
八角堂(はっかく-どう)は、かつて阿弥陀如来像が安置されていたことから「阿弥陀堂」とも呼ばれた。「八角院」、「八角堂元三大師堂」とも呼ばれる。 市立松花堂庭園の西にあり、前方後円墳・西軍塚(にしくるまつか)古墳の円頂部に建っている。 正法寺(八幡市)の境外堂宇の一つ。 かつて、本尊の阿弥陀如来(一光千仏丈六阿弥陀)、元三大師坐像を安置していた。 ◆歴史年表 この地、西軍塚下は、高野街道と樟葉道との岐路にあたり、石清水八幡宮の参詣路に当たっていた。 鎌倉時代、建保年間(1213-1219)、石清水八幡宮13代検校・善法寺祐清が、境内男山西谷に建立したことに始まる。第84代・順徳天皇の御願によったともいう。 その後、大破した。 江戸時代、1607年、1611年とも、豊臣秀頼の御願により、尾張国小出大和守・吉政奉行が再建したという。京都七条仏所仏師・康温が阿弥陀仏を修造したともいう。 その後、倒壊し、荒廃する。 延宝年間(1673-1681)、社務の善法寺央清の勧進により再興される。 近代、1868年、神仏分離令後の廃仏毀釈により、八幡宮の建物、仏像などが破却、撤去された。その際に、男山山上にあった八角堂、仏像を当時の正法寺(八幡清水井)住職が譲り受け、現在地に移した。以後、八角院と呼ばれた。 ◆仏像 ◈丈六の「阿弥陀如来像」は、像高2.83m、台座・光背を含み5.8mになる。中品中生の説法印を結ぶ。かつては全体に金箔が施されていたという。13体の化仏を反りの少ない光背に配している。 肉身部は漆箔、衣部は彩色、檜材寄木造、彫眼。 ◈かつて御堂内に、「阿弥陀如来坐像」(重文)を安置していた。鎌倉時代前期、建保年間(1213-1219)作という。石清水八幡宮別当・善法寺祐清が願主になり造仏されたという。確証に欠けるが仏師・快慶作ともいう。かつて、石清水八幡宮の本地仏であり、男山山中の西谷、八角堂(八角院)内にあった。「一光千仏丈六阿弥陀」ともいわれた。 近代、1868年の神仏分離令後の廃仏棄釈により、八幡宮の仏堂・仏像は破却された。当時の正法寺住職が像を譲り受け、八角堂が現在地(八幡市)に移転した際に、正法寺の寺領だった西車塚古墳の上に遷される。以後、正法寺の境外仏堂として管理された。後に阿弥陀如来坐像は京都国立博物館寄託になる。現代、2008年、正法寺(八幡市)に法雲殿が建てられ、像は安置された。 丈六の「阿弥陀如来像」は、像高283㎝、台座・光背を含めると480㎝の高さがある。胸の前で両手の親指と中指で輪を作る中品中生の説法印を結ぶ。かつては全体に金箔が施されていた。現在は、唇・袂などにわずかに金箔が残る。13体の化仏を反りの少ない光背に配している。 肉身部は漆箔、衣部は彩色、檜材、寄木造、彫眼。 ◈かつて、御堂内に、「元三大師坐像」(重文)も安置されていた。鎌倉時代作だった。もとは、石清水八幡宮三の鳥居近くにあった元三大師堂にあった。近代、廃仏棄釈により八角堂内に遷され、その後、京都国立博物館寄託になる。現在は、正法寺の宝物館「法雲殿」に安置されている。 平安時代の僧・慈恵大師良源(912-985、元三大師)の像高82㎝、檜材の寄木造、玉眼嵌入、彩色による。 ◆建築 八角堂は、「隅切八角形」といわれ、四角の四隅を切り取った八角形をしている。石清水八幡宮固有の建築様式とされる。 ◆古墳 「西軍塚古墳」は、市内最大の前方後円墳になる。近代、1902年、八角堂境内工事の際に石室部分が発見された。 古墳時代前期前半(4世紀)のものとみられる。全長115m、後円部の径70m、後円部高さ8m、墳頂部径約40m。古墳西に幅30mの周濠跡がある。 石室は、長さ9尺(2.7m)、幅2尺(60.6㎝)、高さ3尺(90㎝)で、堆積岩による横積上げ、割石小口積。 副葬品は弥生・古墳時代に中国・朝鮮半島から到来した銅鏡の舶載(はくさい)鏡、弥生・古墳時代に中国鏡を模して日本で作られた銅鏡の彷製(ぼうせい)鏡など5面、碧玉製腕飾など256点。大部分は東京国立博物館に寄託。 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 案内板、『京都・山城寺院神社大事典』、『仏像を旅する 京都』 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
|
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
![]() |
|