雨宝院 (西陣聖天) (京都市上京区)
Uho-in Temple
雨宝院 雨宝院  
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千手観世音

 聖天町にある雨宝院(うほういん)は、「北向山歓喜寺(きたむきやま かんぎじ)」、「西陣聖天(にしじん しょうてん)」、「西陣の聖天さん」とも呼ばれ親しまれている。山号は北向山(ほくこうざん)という。
 泉涌寺末、古義真言宗、本尊は西陣聖天十一面観世音菩薩(大聖歓喜天、聖天尊)を祀る。
 商売繁盛の神としても信仰されている。 
◆歴史年表 平安時代、821年、空海(弘法大師)が建立したという。第52代・嵯峨天皇の病い平癒のために、象頭(ぞうとう)人身の大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)を刻み、祈祷したことに始まるという。かつて真言宗の寺であり、後に禅宗に改める。(寺伝)
 室町時代、応仁・文明の乱以前、大聖歓喜寺という大寺院の子院だったという。最盛期の境内は千本五辻までを占めていた。
 応仁・文明の乱(1467-1477)により焼失した。
 安土・桃山時代、天正年間(1573-1592)、この地へ移り、雨宝院のみが再建される。再び真言宗に戻った。
 江戸時代、1788年、天明の大火で焼失し、その後、再建された。
◆聖天 聖天とは大聖歓喜天(だいしょう かんぎてん)のことで、インド由来の仏教守護神とされる。密教伝来とともに日本に渡り、平安時代、貴族の間では、厄除、富貴を祈願する聖天供(しょうてんぐ)という修法が行われていた。
◆仏像・木像 本堂安置の本尊は象頭(ぞうとう)人身の「大聖歓喜天像」になる。平安時代、821年、弘法大師(空海)が第52代・嵯峨天皇の病い平癒のために自ら刻み、祈祷したものという。天皇の等身大とされ、秘仏のため「歓喜童子像」が御前立になる。単身六臂。
 本尊脇には、「雨宝童子」が祀られ、聖天尊の化現とされる。雨宝院の名の由来にもなった。「雨宝」とは法雨、雨が宝のように降るという意味で、大荒神経に因る。「五秘密像」も安置されている。
 大師堂に「弘法大師像」が安置されている。空海の42歳の姿を刻んだものという。像は南を向き、口を開く。「阿吽汗かきの大師」と呼ばれている。「汗かき」とは、汗をかくようなことでも、必ず衆生を救済する意味とされた。東寺にも同様の大師像が北を向き安置されていたという。2つの像は、互いに向き合い、金剛力士像のように雨宝院の像は「阿」を、東寺の像は「吽」を表していたという。
 観音堂には、平安時代、貞観年間(859-877)作の「千手観音立像」(2m)(重文)を安置する。密教像とされ、旧大聖歓喜寺の遺仏ともいう。両手を胸前で合わせる。頭上の化仏、脇手の一部は後補による。木造、一木彫、八臂、漆箔。
 不動堂に「大聖不動明王」、庚申堂に「大黒天」、「釈迦如来」、「地蔵菩薩」が安置されている。
◆建築 狭い境内には、本堂、不動堂、稲荷堂、大師堂、観音堂、庚申堂などが建てられている。
◆染殿井 境内には「西陣五水」(安居井、千代野井 桜井、鹿子井)の一つ「染殿井」がある。水飢饉の際にも水が涸れたことはないという。染色に適した水であったことから染殿井と称された。
◆花・樹木 境内には久邇宮朝彦親王(くにのみや あさひこしんのう、1824-1891)が参拝した際に、俄雨を凌いだという「おしのぎの松、時雨の松」が枝を広げている。区民の誇りの木に指定されている。
 歓喜桜(御室桜)、御衣黄(ぎょいこう)という黄緑色の珍しい八重桜、松月桜、枝垂れ桜が知られている。
 沈丁花、椿、未央柳、馬酔木、ツツジ、牡丹、山吹、など四季折々の草花で知られ、「花の寺」とも呼ばれている。


*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』『京都府の歴史散歩 上』『京都大事典』『古都歩きの愉しみ』『京都歴史案内』『昭和京都名所図会 5 洛中』『京都の寺社505を歩く 上』『絶対に訪ねたい!京都の仏像』『京都 神社と寺院の森』


       東寺(教王護国寺)                      

サクラ


普賢菩薩、本尊・大聖歓喜天、十一面観音


寶稲荷大明神、陀枳尼天、鬼子母神、金毘羅大権現

右より、愛染明王、大聖不動明王、役行者



シャクナゲ

右より、聖観世音菩薩、大黒天・虚空蔵菩薩、大青面金剛(庚申)、釈迦如来・地蔵菩薩

十一面観世音、北斗妙見大菩薩、融通尊(宝珠)、諸天善神(年徳大善神)、七福神

大師遍照金剛

ボケ

右より、疱神、鎮宅方除神、弁財天

右、弁財天


御衣黄桜

染殿井、井戸の深さは12mある。

ツバキ
雨宝院(西陣聖天) 〒602-8481 京都市上京区聖天町9-3,上立売通智恵光院西入る北側  075-441-8678
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