|
|
称名寺 (京都府久御山町) Shomyo-ji Temple |
|
称名寺 |
称名寺 |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() 「國寶薬師 大日如来尊像稱名寺」の石標 ![]() 地蔵堂 ![]() 地蔵尊 ![]() 地蔵尊 ![]() ![]() 本堂 ![]() 本堂、「護念山」の山号扁額 ![]() 本堂 ![]() 宝篋印塔 ![]() ![]() ![]() 松 |
久御山町佐古(さこ)の称名寺(しょうみょう-じ、稱名寺)は、山号は護念山(ごねん-ざん)という。かつての末寺などから仏像が遷されている。 浄土宗知恩院派、本尊は阿弥陀如来を安置している。 ◆歴史年表 平安時代、大同年間(806-810)、創建されたという。かつて天台宗だった。(寺伝) 室町時代、1407年、地震により御堂・仏像が破壊された。(「法蓮寺堂再建記木札」) 1534年、西誉直往大徳の開基によるという。(『称名寺縁起』、1774) 安土・桃山時代、1574年、浄土宗に改宗された。(寺伝) ◆西誉直往大徳 室町時代後期の僧・西誉直往大徳(?-?)。詳細不明。男性。越前国(福井県)の生まれという。諸国で修業した。1534年、称名寺の開基になった。 ◆仏像 佐古の集落は、防御のための環濠(かんごう)集落であり、周囲をほぼ正方形の堀で囲んでいる。その中に称名寺、称名寺末寺・法蓮院(ほうれん-いん、宝蓮院)・観音堂、ほか善林寺、東明寺(とうみょう-じ)なども建てられていた。 後に廃寺になった法蓮院、観音堂、東明寺の本尊が客仏として遷された。諸仏は本堂に安置され、旧檀家により現在も護られている。 ◈本尊「阿弥陀如来坐像」(54.6㎝)(久御山町指定文化財)は、平安時代後期(10世紀末)作になる。京都周辺の地方作であり、日野(伏見区)より遷されたという。 平安時代後期の定朝様完成する少し前に造仏された。表情は童顔で両手は膝上で定印を結ぶ。足の表裏を結んで坐している。表現はやや無骨になっている。内刳は見られない。顔・手など主要部分に後補はない。頭から体にかけての主要部は、縦の一材から彫り出している。 木造、ヒノキ材、一本造、彫眼。 ◈「薬師如来坐像」(138/140㎝)(重文)は、佐古の法蓮院の本尊だった。(「法蓮寺堂再建記木札」、1728)。平安時代後期(12世紀後半)の作とみられている。 半丈六像であり、やや小振りで締まった頭部に、円満な表情をしている。右手は施無畏印、左手に薬壺を持つ。衣文の襞も流麗に表現されている。体躯は厚く頸は太い。顔をやや前に突き出し、「定朝様」の静的な表現から一歩踏み出している。林の西林寺の薬師如来像を手本にしたとみられている。後補は少なく保存も良い。 木造、ヒノキ材、寄木造、金箔押。 ◈「大日如来坐像」(89㎝)は、東明寺の旧仏という。平安時代作になる。胎蔵界の像で、繊細な表現が見られる。 木造、ヒノキ材、一本彫、漆箔。 ◆文化財 ◈「法蓮寺堂再建記木札」は、江戸時代中期、1728年のものになる。室町時代前期、応永14年(1407年)季春に地震により御堂・仏像が破壊されたと記されている。京都周辺で地震が発生したとみられている。 ◈「東明寺文書」(京都府登録有形文化財)は、佐古村にあった浄土宗の寺院で、近代、1868年に廃寺になった。本尊・什物は称名寺に移された。 東明寺旧蔵の文書群は、南北朝時代-江戸時代の142点になる。多くは寺の運営に関し、寺領についての中世文書は注目されている。久御山は、古くより洪水被災が多く、中世の在地文書が残るのは稀少になる。 ◆創建伝承 称名寺の創建時の伝承がある。 西誉直往大徳は、諸国で修業中に、日野(伏見区)の平山家に一泊した。同家先祖が平安時代後期-鎌倉時代前期の鴨長明(1155-1216)から譲られたとう飛鳥時代-奈良時代の行基(668-749)自作の像をもらい受けたという。 西誉は、像を担ぎ久御山旧佐古村の吉岡家に立ち寄った。像はこの地で動かなくなり、西誉は一宇を建てて像を安置した。それが、称名寺の始まりになったという。(『称名寺縁起』、1774) ◆末寺 称名寺の末寺に法蓮院(ほうれん-いん)、観音堂があった。観音堂は城南近在三十三所観音霊場17番札所になっていたとみられる。(法蓮院文書、1870) 近代、1871年1月にともに廃寺になった。(「京都府地誌」)。その後、仏像などは称名寺に遷された。 ❊年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 ❊参考文献・資料 久御山町郷土史会の説明板、『京都府の地名』、『昭和京都名所図会 7 南山城』、ウェブサイト「久御山町」、「くみやま文化・歴史ガイド 久御山」、『京都の災害をめぐる』 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
|
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
![]() |
|