旧京都市美術館(京都市京セラ美術館) (京都市左京区)  
Former Kyoto Municipal Museum of Art
旧京都市美術館(京都市京セラ美術館) 旧京都市美術館(京都市京セラ美術館)
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西側、正面



西側、正面


西側、正面

西側、正面


西側、正面


西側、正面

西側、正面

西側、正面

西側、正面、千鳥破風

西側、正面、入口扉


西側、正面、入口扉

西側、正面

西側、正面


南側


南西角


南側


南側


南側


北西角






東側


東側


東側


東側


東側、庭園


円勝寺跡の石標、敷地北側
 岡崎公園内に旧京都市美術館(きゅう-きょうとし-びじゅつかん)はある。現在は、京都市京セラ美術館に名称変更になっている。日本で2番目に古い大規模公立美術館であり、現存最古の公立美術館になる。
 本館の設計は近現代の建築家・前田健二郎による。
◆歴史年表 近代、 1928年、昭和天皇即位の礼を記念し、建築の計画が立てられる。
 1930年、美術館競技設計に建築家・前田健二郎の案が1等に選ばれる。
 1933年、岡崎公園内に「大礼記念京都美術館」が竣工した。
 1944年、第二次世界大戦中に、本土空襲を受け、当館の作品の一部を嵯峨・大覚寺などに疎開させた。
 現代、1946年、駐留軍により本館・敷地全体が接収された。大陳列室はバスケットボールのコートに変えられた。
 1952年、駐留軍の接収解除時に「京都市美術館」に改称する。
 1971年、収蔵棟(設計・川崎清)が新設された。
 2000年、別館(旧岡崎公会堂)が開館になる。
 2014年、京都市は「京都市美術館将来構想」を策定した。
 2015年、「京都市美術館再整備基本計画」の公募型プロポーザルで、青木淳・西澤徹夫設計共同体が受託した。
 2017年、命名権を導入し、新名称は「京都市京セラ美術館」になった。
 2018年、1月、改修・増築工事を行う。
 2019年、10月、竣工した。
 2020年、京都市京セラ美術館として開館する。
◆前田健二郎 近現代の建築家・前田健二郎(まえだ-けんじろう、1892-1975)。福島県生まれ。加賀藩出身(士族)・裁判官・前田信兆の子。正則中学校(現・正則高等学校)を経て、東京美術学校図案科第2部(後の東京芸術大学建築科)に進学する。在校中に、商工省輸出工芸図案展に出品し、2等を受賞した。1916年、東京美術学校を卒業した。1917年、逓信省経理課(後の逓信省営繕課)に勤務する。 1919年、第一銀行に入社し、本店建築(設計・西村好時)に携わる。帝国議事堂の競技設計第1次競技に入選する。1921年、大阪市美術館の競技設計に1等当選した。(1936年、竣工)。1922年、建築家・岡田捷五郎と組み、 神戸市公会堂競技設計に1等を受賞した。(前田案は実施されず)。 1923年、岡田捷五郎と組み、早稲田大学大隈記念大講堂競技設計で1等になる。(実施されず)。 1924年、「前田健二郎建築事務所」を開設する。震災記念堂競技設計に1等入選する。(実施されず)。 1930年、京都市美術館競技設計に1等で選ばれる。(1933年、竣工)。1943年、事務所を閉鎖し、日産土木建築部長に就任した。 1945年、東京都緊急建築指導部員になる。 1948年、建築事務所を再開する。1965年、妙本寺釈迦堂の建築・建築界への業績により芸術院賞を受賞した。82歳。
 代表作は高島屋日本橋店(1933、顧問・片岡安、共同・高橋貞太郎)、大礼記念京都美術館(1933)、共立講堂(1934)、妙本寺釈迦堂(1964)など。
◆青木 淳 現代の建築家・青木淳(あおき -じゅん、1956-)。神奈川県生まれ。1975年、神奈川県立小田原高等学校を卒業する。1980年、東京大学工学部建築学科を卒業した。1982年、東京大学大学院修士課程を修了する。1982年-1991年、「磯崎新アトリエ」に勤務した。1991年、「青木淳建築計画事務所」を設立する。1997年、Sで吉岡賞を受賞する。1999年、潟博物館で日本建築学会賞を受賞した。2015年、京都市美術館(現・京都市京セラ美術館)再整備設計プロポーザルを青木淳・西澤徹夫設計共同体として受託した。(2020年、竣工)。2019年、東京藝術大学美術学部建築科教授、多摩美術大学美術学部環境デザイン学科客員教授に任じられる。2020年、開館した京都市京セラ美術館館長も務める。著『青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS |1|』『原っぱと遊園地』など。
 主な作品は、馬見原橋(1995)、遊水館 (1993)、潟博物館(1997)、ルイ・ヴィトン表参道ビル(2002)、U bis(2002)、ルイ・ヴィトン香港ランドマーク店(2006)など。
◆西澤徹夫 現代の建築家・西澤徹夫(にしざわ-てつお、1974-)。京都府生まれ。東京芸術大学修士課程修了後、2000年-2006年、「青木淳建築計画事務所」に勤務した。ルイ・ヴィトン銀座店(2000)、青森県立美術館(2006)の基本・実施設計・監理を担当した。2007年、「西澤徹夫建築事務所」を開設する。2015年、京都市美術館(現・京都市京セラ美術館)再整備設計プロポーザルを青木淳・西澤徹夫設計共同体として受託した。東京藝術大学・日本女子大学非常勤講師を務める。
 主な作品に、東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーリニューアル(2012)、「八戸新美術館」(2021)など。展覧会会場構成、舞台美術も手掛ける。
◆建築  ◈「本館」は、近代、1933年に竣工した。岡崎公園内の第一勧業館商品陳列館の取壊し跡地に建てられている。設計は建築家・前田健二郎による。公立美術館としては上野・東京都美術館(1926)に次いで古く、現存最古になる。
 1928年に第124代・昭和天皇の即位式が京都で行われ、建設計画がなされた。1930年に、京都市美術館競技設計(コンペティション)が実施され、前田が応募作品196点中で1等に選ばれ採用になる。建設委員会が組織され、建築界からは伊藤忠太、武田五一、岡田信一郎らが参加した。武田が設計を補い、実施設計は京都市営繕課による。関西の財界・美術界、市民の寄付金により建設され、慶祝記念だったため、当初は「大礼記念京都美術館」と呼ばれた。
 応募作品に求められた建築様式は、「四周の環境に応じ日本趣味を基調とせる近世式」とされていた。外観は古典主義的な西洋建築に、銅瓦葺の勾配屋根が載る。このため、鉄筋コンクリート造の躯体上に、鉄骨でトラストを組んだ。正面(ファサード)に日本趣味の千鳥破風がある。上部の寺社建築に観られる細部意匠は、アール・デコ風(単純・直線的)になっている。平面では、当初案に較べ中庭が広くなった。
 帝冠様式になる。鉄筋コンクリート・鉄骨の洋式建築を基本にし、日本の伝統的な屋根を載せた和洋折衷の建築様式だった。帝冠様式は、1930年代の建築を指し、国内・満州国などの公共機関の庁舎に多く用いられた。内部は1階の大展示室に、側面、頂部に開口部を開けて自然光による採光を行う。このため、平面はロの字型になっている。半円状の階段が付けられている。日本趣味としては、階段室の天井ステンドグラス、照明の意匠などに見られる。1階、2階にエントランスホールがある。泰山製陶所(南区東九条)製造の泰山タイルを用いた。製陶所は、1917年に池田泰山(泰一、1891-1950)によりに設立された。 
 実施設計は京都市営繕課(技師・川村秀介、枝村靖)、施工は清水組、地上2階地下1階建、鉄筋骨混凝土造、中央大陳列室は鉄骨混凝土造、ほかは鉄筋混凝土造、屋根小屋組は鉄骨造、床版壁体、階段など主要部は鉄筋混凝土造。坪数は建坪1400梁8坪、延坪2832坪(9362㎡)、 経費総額107万円。
 ◈「事務所棟」は、本館の外観に合わせている。木造2階建、瓦葺。
 ◈2019年の本館の改修・増築工事では、19の応募者から青木淳・西澤徹夫設計共同体が1位で基本設計作成者に選出された。旧本館の外観、内観はほぼ保存されている。西側正面前の広場を掘り込みスロープが付けられた。かつての玄関下側(地階)に新たに玄関を設けている。中央ホール(旧大陳列室)のほか、北回廊、南回廊に展示施設が新設された。南中庭は復元され、北中庭も吹き抜けの空間に変更される。北東側の収蔵棟は、新館として改装され、屋上庭園が新設された。
◆円勝寺 敷地の北側に「円勝寺跡」の石標が立つ。
 円勝寺は、第74代・鳥羽天皇中宮・待賢門院(1101-1145)の御願により、平安時代、1128年に建立された。寺域(方1町)は、現在の府立図書館付近になる。
 金堂には、2丈の本尊・大日如来を安置し、丈六の四仏が安置されていた。五大堂、薬師堂、中御塔(五重塔)、東御塔(三重塔)、西御塔(三重塔)などが建てられていた。中世に兵火により焼失した。


原則として年号は西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
参考文献・資料 ウェブサイト「京都市美術館データ 都市計画局公共建築部」、『京都大事典』、『京都の洋館』、『京都の近代化遺産 近代建築編』、ウェブサイト「京都市京セラ美術館」、ウェブサイト「青木淳 - AOKI JUN」、ウェブサイト「がくげいラボvol.2」、ウェブサイト「西澤徹夫 – Medium」、ウェブサイト「コトバンク」


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map 旧京都市美術館(京都市京セラ美術館) 〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124   

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