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霊源院 〔東福寺〕 (京都市東山区) Reigen-in Temple |
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霊源院 | 霊源院 |
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東福寺境内の北に塔頭・霊源院(れいげん-いん)がある。 臨済宗東福寺派。本尊は観音菩薩。 ◆歴史年表 南北朝時代、1350年/観応年間(1350-1352)、在先希譲(ざいせん-きじょう)が、師・竜泉令淬(りゅうせん-りょうずい)を勧請開山として創建した。天護院と号したという。(寺伝) 後、水野和泉守が中興した。 ◆在先 希譲 南北朝時代-室町時代前期の臨済宗の僧・在先 希譲(ざいせん-きじょう、1335-1403)。男性。越中(富山県)の生まれ。竜泉冷淬(りゅうせん-りょうずい)の法嗣になる。頑石曇生(がんせき-どんしょう)、月心慶円らに学ぶ。山城・三聖寺、普門寺、東福寺の住持を歴任した。晩年、東福寺・海蔵院に退居した。著『在先和尚語録』。69歳。 ◆竜泉 冷淬 南北朝時代の臨済宗の僧・竜泉 冷淬(りゅうせん-れいさい/りょうせん/りょ うずい、?-1366)。男性。尾張(愛知県)の生まれ。第96代・後醍醐天皇の皇子という。幼くして虎関師錬(こかん-しれん)に参じ、その法嗣になった。山城・三聖寺の住持、東福寺首座(しゅそ)、1360年、筑前・ 承天寺25世。同年、虎関の著した『元亨釈書』が大蔵経に納められることに尽力する。1364年、万寿寺に移る。1365年、東福寺・海蔵院に退隠した。編著『海蔵和尚紀年録』、詩文集『松山集』。 ◆虎関 師錬 鎌倉時代中期-南北朝時代の臨済宗の僧・虎関 師錬(こかん-しれん、1278-1346)。男性。諱は師錬、号は虎関、通称は海蔵和尚。諡号は本覚(ほんがく)国師。京都の生まれ。父・藤原左金吾校尉、母・源氏。1285年、8歳で臨済宗聖一派三聖寺・東山湛照(とうざん-たんしょう)に師事、1287年、比叡山で受戒した。1291年、師没後、南禅寺・規庵祖円、1293年、鎌倉・円覚寺の桃渓徳悟らに付く。京都の菅原在輔、六条有房より儒学を学ぶ。1295年、再び規庵に参じ、鎌倉に下向、円覚寺・無為昭元(むい-しょうげん)、1297年、建仁寺・無隠円範、1299年、南禅寺・規庵、1304年、東福寺・蔵山順空、無為昭元に学ぶ。1307年、円覚寺・無為、建長寺の一山一寧(いっさん-いちねい)を尋ね、1312年、建長寺・約翁徳倹に参じた。1313年、後伏見上皇(第93代)の命により歓喜光院に住した。1314年、白河・済北庵、1316年、伊勢・本覚寺を開く。1324年、山城・円通寺、1326年三聖寺に住し、1332年、伊勢・神賛寺の開山、東福寺に住した。1335年、三聖寺再住、1337年、東福寺再住、1338年、三聖寺・如意庵を開く。1339年、南禅寺住持、1341年、東福寺・海蔵院に退き海蔵和尚と呼ばれた。1346年、洛北柏野(かしわの)・楞伽寺(りょうがじ)を建立する。海蔵院で亡くなり、済北庵、海蔵院に葬られた。諡号は本覚(ほんがく)国師。法嗣に性海霊見、龍泉令淬など多い。69歳。 博覧強記の仏教史家であり儒学も修め、詩文を学び五山文学の先駆者とされた。1322年、日本初の仏教通史で漢文体の『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』30巻を著す。仏教伝来から書き始め、700年間にわたる伝(400人の伝記)、表(皇室関係の仏教記事)、志(制度、歴史、音楽など10種の範疇)の三部構成になっている。 ◆文化財 ◈「絹本著色 在先和尚像 自賛」1幅(重文)。室町時代、明兆(1352-1431)筆による。 ◈紙本墨書草稿本『松山集』2冊(重文)、南北朝時代の竜泉冷淬筆による。 ◈紙本墨書『北越吟』1冊(重文)、室町時代作。 ◈紙本墨書『海蔵和尚紀年録』1冊(重文)、室町時代作になる。 ◈「虎一大字(とら-いちだい-じ)」は、鎌倉時代-南北朝時代(14世紀)作であり、虎関師錬(こかん-しれん、1278-1346)筆による。東福寺塔頭・海蔵院の旧蔵品であり、掛軸裏には「虎之字 開山真跡」と記されていた。 線は太さが一定の篆書(てんしょ)の書体になっている。頭部は短い筆跡で丸みを帯びさせ、尾の部分は下から上に筆を運ぶことで、かすれが生じ縞模様に見える。文字、絵、座した虎、怪物、坐禅、自身の肖像ともいう。文字の絵図化の作例は同時代にはなく、虎関師錬唯一の作例になる。 縦53.3㎝、横39.8㎝。 *非公開 *年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。 *参考文献・資料 『旧版 古寺巡礼京都 18 東福寺』、『京都の禅寺散歩』、『京都・山城寺院神社大事典』 、ウェブサイト「東福寺」、ウェブサイト「東京国立博物館」、ウェブサイト「コトバンク」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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