牧護庵・法皇寺 〔南禅寺〕 (京都市左京区) 
Bokugo-an Temple
牧護庵・法皇寺  牧護庵・法皇寺
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「牧護庵」の石標、1992年建立












延段


本堂



境内の池泉





「わらべ地蔵の庭」と銘が入る。



石標上の足のある地蔵、両足を投げ出して坐る。表情は摩耗している。杉村孝作。
 南禅寺の境内に塔頭・牧護庵(ぼくごあん)がある。山門脇に地蔵が乗る「南禅寺五世佛灯国師塔所」の石標が立つ。庭園は「わらべ地蔵の庭」と呼ばれている。
 臨済宗南禅寺派。
◆歴史年表 鎌倉時代、1318年、約翁徳検(仏灯国師)が第91代・後宇多天皇の勅により、南禅寺5世として住した。
 1320年、約翁徳検の没後、庵を創建し、牧護庵と名付けた。以後、南禅寺塔頭の一つになる。
 近代、1888年、廃仏毀釈に伴い法皇寺は牧護庵と合併し、寺号を法皇寺に改めた。 
 現代、1992年、寺号を牧護庵に復した。「わらべ地蔵の庭」が作庭される。
◆約翁徳検 鎌倉時代中期-後期の臨済宗の僧・約翁徳検(やくおう-とくけん、1244-1320)。諡号は仏灯国師。相模(神奈川県)鎌倉の捨て子という。渡来僧・蘭渓道隆(らんけい-どりゅう)が童役として養父より引き受ける。16歳で出家し、東大寺で登壇受戒した。蘭渓に従い建仁寺、建長寺に移る。中国に渡り五山を歴参した。1296年、建長寺主・葦航道然(いこう-どうねん)のもとで首座、長勝寺を開く。鎌倉の東勝寺、浄妙寺、禅興寺に住した。1306年、勅を受け建仁寺に住した。1317年、一山一寧(いっさん-いちねい)の没後、後宇多上皇(第91代)に請われ南禅寺に住した。仏灯大光国師の号を賜り、固辞して「仏灯」の2字のみを受けた。著『仏灯国師語録』。76歳。
◆杉村孝 近現代の彫刻家・杉村孝(1937-)。藤枝市生まれ。1967年、藤枝美術協会設立に参加した。1974年、二紀会同人、美術家連盟理事になる。各賞を受賞した。作品として、1989年、麿崖仏(不動明王坐像)開眼供養(藤枝市不動峡)、1995年、巨石の森(藤沢市)、2000年、オーストラリア・ペンリスなど多数。日本美術家連盟会員。
◆法皇寺 飛鳥時代、乙訓寺は、第33代・推古天皇(554-628)の勅願で建立された。かつて乙訓郡今里(長岡京市)にあったという。
 平安時代、宇多法皇(第59代、寛平法皇、867-931)が落飾した後、寺を行宮(あんぐう)とした。天皇巡幸の際の駐輦・宿泊のための施設として使った。以来、法皇寺とも呼ばれた。
 室町時代、今熊野日吉町(東山区)付近に移る。第3代将軍・足利義満(1358-1408)が伯英(?-1403)に命じ、禅宗寺院とし南禅寺の付属になる。
 江戸時代、18世紀前半、東門前町(左京区)に再移転する。
 近代、1878年、南禅寺塔頭・金地院に合併になる。
 1888年、この地の牧護庵に合併された。法皇寺の名が残る。
 現在、牧護庵境内に「寛平法皇御旧跡法皇寺」の石標が立てられている。  
◆建築 本堂、庫裏が建ち、ともに昭和期(1926-1989)初期に建てられたという。
 現在、東面する山門は、かつて南にあった。
◆庭園 江戸時代、1799年の『都林泉名勝図会』にも庭園が記されている。池泉、多くの松の植栽が見られる。ただ、現在の庭園とは地割、景色も異なる。
 現在、本堂の東に「わらべ地蔵の庭」と名付けられた庭園がある。南北方向に楕円形状の園池があり、琵琶湖疏水が南禅寺境内を経て流入する。流水は北西に向う。かつては南西方向に流れていた。近年、園池の護岸を改修し、かつての広さを取り戻した。
 池の南に中島があり、社が祀られている。小島に架かる石橋は、かつて、木製の太鼓橋だったという。池底にマツ杭が斜めに打たれ、護岸石を押さえている。
 庭園各所に、彫刻家・杉村孝作のわらべ地蔵が置かれている。かつて、本堂前に青銅製の金燈籠が据えられていた。戦時供出により撤去され、現在は礎石のみが残る。
◆石像 境内には彫刻家・杉村孝作の100体以上のわらべ地蔵がある。門前の石標上には足のある地蔵が坐っている。


*非公開
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献・資料 『岡崎・南禅寺界隈の庭の調査』、ウェブサイト「コトバンク」


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石板の肉彫り地蔵

横たわる地蔵

【参照】境外、南禅寺参道脇にある車止めの雀の造型。
牧護庵 〒606-8437 京都市左京区南禅寺福地町86-13 
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