専定寺 (烏寺) (京都市東山区)
Senjo-ji Temple
専定寺 (烏寺) 専定寺 (烏寺)
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本堂


本堂妻、龍の透かし彫り

 方広寺の西にある専定寺(くまがいざんせんじょうじ)は、烏寺(からすでら)とも呼ばれる。山号は熊谷山という。 
 浄土宗西山禅林寺派。本尊は阿弥陀如来坐像。
 洛陽四十八願所地蔵めぐり(京都四十八願寺)の第43番札所、札所本尊はそば喰地蔵(獅子地蔵)。
◆歴史年表 創建の詳細は不明。
 鎌倉時代、1208年、専定(せんじょう)法師という旅僧が、熊谷直実に因み、この地に草庵を結んだのが始まりという。もとは、天台宗だったという。
 創建年は不明だが、堯淳という僧が開いたともいう。(『京都府地誌』)
 また、江戸時代、1666年、浄西により創建されたともいう。
 寛文年間(1661-1673)、そば喰地蔵(獅子地蔵)は第112代・霊元天皇の命により、僧・宝山が洛外・六地蔵以外の48か寺の地蔵尊を選んだ洛陽四十八願所の霊場のひとつになる。
◆逸話 鎌倉時代、1208年9月14日、専定という旅僧がこの付近の松の木陰で休んでいると、2羽の烏が松の梢にとまり喋った。今日は、蓮生坊(熊谷直実)の往生の日であり、見送りしようといい、熊野権現の姿になり、南の空へ飛び立ったという。不思議に思い蓮生の庵を訪ねる。すでに蓮生は、同日同刻に亡くなっていた。法師は仏法有縁の地としてこの地に草庵を結んだという。
 かつて、境内の松の梢に土焼の二羽の烏が置かれ、逸話を偲んでいたという。大仏(方広寺)七不思議の一つとされた。松は、1950年のジェーン台風の際に倒木したという。
◆熊谷直実 平安時代後期-鎌倉時代の武士・熊谷直実(くまがい なおざね、1141-1208)。武蔵国に生まれた。幼くして父・直貞を亡くし、兄とともに叔父・久下直光に養育された。平知盛に仕える。1180年、石橋山の戦で、平家方として源頼朝を攻め、その後、頼朝の配下となる。佐竹秀義の成敗の功により本領・熊谷郷の地頭職に補任された。1184年、義経に従い宇治川、壇ノ浦、一ノ谷と転戦、16歳の平敦盛(清盛の弟・経盛の子)を討った。1187年、鶴岡流鏑馬所役を怠ったとのかどで領地を減じられる。1192年、直光との領地争いでの頼朝裁決を不当として、吉水の法然の門に入り、出家、法力坊蓮生と改名した。1196年、鎌倉に戻り頼朝に伝道兵法を説く。その後、帰洛、晩年は武蔵国で暮らし、没したとも、東山の草庵で没したともいう。
◆仏像 本堂安置の本尊「阿弥陀如来坐像」(京都市文化財指定)は秘仏とされている。平安時代の後白河法皇(第77代、1127-1192)の念持仏だったという。
 平安時代後期作とみられ、金箔による像内化粧(像内漆伯)が施されている。定朝の流れをくむ賢円・明円の一派の作とみられている。かつて妙法院(奥の院)に伝わり、江戸時代、17世紀(1601-1700)、妙法院の尭然法親王(1602-1661)の時、当寺に遷されたものという。(『坊目誌』)。厨子には菊の御紋が刻まれている。像高87.3㎝、寄木造、漆箔、玉眼入。
 「獅子地蔵」は江戸時代作になる。かつて川におぼれた人があり、獅子になって助けたという。
◆そば喰地蔵 寺には室町時代作と見られる「そば喰地蔵(獅子地蔵)」という地蔵尊が安置されている。かつて「京都大仏(方広寺)の七不思議」のひとつに数えられていた。右手に錫状、左手に宝珠、左足を下げた半跏不座像。像高1m。
 江戸時代、元禄年間(1688-1704)、三条寺町の伏見屋左近は、毎日地蔵尊に菊花を供えていた。江戸に用があり、駿河の大井川まで来ると、増水し足止めされた。だが、急ぐ用のために川に飛び込み、急流に流され溺れそうになる。一頭の獅子が現れ、左近を背に乗せて向こう岸まで送り、その後消えた。
 夜、左近の夢中に一人の僧が現れ、自分は烏寺の地蔵であり、日頃よりの左近の供花に感じ、獅子と化してその命を助けたと告げる。左近が目覚めると、枕元に三寸(9cm)の地蔵像があった。京に戻り、烏寺の住職に地蔵を見せると、寺の地蔵の胎内仏であるという。左近はその報恩に地蔵堂を建て地蔵尊を安置したという。(『拾遺都名所図会』)
◆大仏の七不思議  「京都大仏(方広寺)の七不思議」としては、①方広寺の鐘、②耳塚、③大仏餅の看板、④鳥寺の鳥、⑤五右衛門の衡器窓、⑥三棟の屋根、⑦そば喰地蔵が挙げられている。
 

*非公開
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』『京都の寺社505を歩く 上』『昭和京都名所図会 1 洛東 上』『旧版 京のお地蔵さん』『新版 京のお地蔵さん』


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 専定寺 〒605-0981 京都市東山区本町4-145,正面通本町東入る  075-541-0892
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