笠原寺 (川崎大師京都別院笠原寺) (京都市山科区)
Ryugen-ji Temple
笠原寺  笠原寺 
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本堂



本堂、扁額「笠原寺」



本堂内陣



本堂




開山堂



開山堂(奥之院)



御霊殿



御霊殿





本堂より西の眺望、京都市山科区の市街地が見える。正面奥の山は東山。



弘法大師像



交通安全祈願所



絵馬



健脚祈願わらじ石



健脚祈願わらじ石



本坊



十三重塔
 笠原寺(りゅうげん-じ)は、川崎大師京都別院岩屋山大宅院笠原寺(かわさきだいし-きょうとべついん-いわやさん-おおやけいん-りゅうげんじ)ともいう。
 女性の厄よけを願う「一日尼僧修行」で知られている。
 真言宗智山派。本尊は厄除弘法大師を安置する。
 事業繁栄、災厄消除、交通安全などの信仰がある。 
◆歴史年表 現代、1979年、弘法大師1150年御遠忌(1984年)の記念事業として、笠原政江尼により創建された。
 1980年、一日尼僧修行体験が始まる。
 1983年、現在の本堂が建立される。
◆笠原 政江 近現代の尼僧・笠原 政江(?-1990)。詳細不明。女性。試旅館業を営む。1979年、智積院で得度し、同年、私財を投じ笠原寺を建立した。以来、悩む女性らの相談に応じた。1980年より、笠原寺で一日尼僧修行体験が始まる。
 墓は笠原寺(山科区)の開山堂にある。
◆松久 朋琳 近現代の仏師・松久 朋琳(まつひさ-ほうりん、1901-1987)。男性。本名は茂次。京都市の守護職の家の生まれ。4歳で、京仏師・松久家養子になる。10歳の頃から、仏像制作を始める。1944年、京都・大悲山峰定寺・三滝上人像を制作した。1955年以降、大阪・四天王寺仁王像、比叡山延暦寺・大日如来像、弥勒菩薩像、十一面観音像などを手掛ける。1962年、京都仏像彫刻研究所を設立した。1963年、大阪四天王寺より「大仏師」の称号を受け、1979年、延暦寺より「法橋大仏師」の称号を受ける。1976年、アメリカ建国記念に際し、ニューヨークに建立された大菩薩禅堂金剛寺の本尊・菩薩像を制作した。著『仏教彫刻のすすめ』『京仏師六十年』など。86歳。
 動感のある仏像を得意にした。竜谷大学名誉教授として仏教美術を教えた。
◆本尊・仏像 ◈ 本堂安置の本尊「厄除弘法大師」は、大本山川崎大師平間寺本尊の分体を勧請したという。
  本尊向かって右に不動明王、左に愛染明王を祀る。
 ◈本坊に、「美救尼観音菩薩」が祀られる。近現代の仏師・松久朋琳(1901-1987)作による。女性を救う仏として知られている。
 ◈開山堂に「金剛界大日如来」を安置する。真言宗の本尊になる。
 ◈玉洗院に「地蔵菩薩」を安置している。境内西にある御霊殿であり、水子供養の地蔵尊になる。
◆川崎大師平間寺 神奈川県川崎市の真言宗智山派大本山・川崎大師平間寺(金剛山金乗院平間寺、川崎大師)の縁起がある。
 平安時代後期、第75代・崇徳天皇の頃(在位:1123-1142)、武士・平間兼乗(ひらま-かねのり)は、無実の罪により尾張を追われた。諸国流浪の果てに川崎に移る。漁猟を生業とし、貧しいながらも深く弘法大師を崇敬した。
 42歳の厄年祈願の時、高僧が夢枕に立った。僧は唐にある時、自ら像を刻み海上に投じたという。この像をすぐに供養し、功徳を諸人に及ぼすと災厄も変じ福徳になり、所願もかなうと夢告した。兼乗は海に出て、光り輝く海中に網を投じると、一体の大師木像が引き揚げられた。
 兼乗は草庵を結び、像の供養を続けた。高野山の尊賢という僧が兼乗を訪ね、像とその経緯に感じ入った。1128年、2人は寺を建立した。寺号は姓の平間より平間寺(へいけん-じ)とし、本尊の木像を厄除弘法大師と名付け安置したという。
◆建築
 ◈ 「大本堂」は、現代、1983年10月に建立された。開山主・笠原政江尼による。
 鉄筋コンクリート造、入母屋造、桃山様式。
 ◈ 「奥之院(開山堂)」は、本堂の東に建つ。総ヒノキ造。
◆地蔵 笠原寺地蔵11体、西国八十八カ所地蔵などが祀られている。
 笠原寺四国八十八ヶ所お砂ふみ霊場は、四国八十八ヶ所各霊場寺院の本尊を祀る。各寺院境内の砂をそれぞれの正面に敷いている。霊場巡拝と同じような功徳が積め、砂を踏みながらお参りする。
◆龍の滝 境内の東側の「滝」は、岩屋山に源泉がある。傍らに倶利伽羅(くりから)竜王が祀られている。不動明王の化身になる。
◆塚 境内に着物塚が立てられている。きもの供養(5月29日)が執り行われている。
◆修行体験 女性向けに、厄除け一日尼僧修行(第1土曜日・第3日曜日)が行われている。読経・法話、安座、写仏、境内八十八ケ所参拝、厄除御護摩祈祷。昼食は精進料理になる。
◆樹花 境内に垂れ梅、白梅、桜、つつじ、銀杏、彼岸花、ザボンの木などが植えられている。。
◆遊歩道・ハイキングコース 境内から本堂へ続く遊歩道の小径、山頂へ向かう小径(15分)がある。大阪市街地まで見渡せる。
◆年間行事 新春護摩祈祷(1月1日-7日)、初弘法(厄除け開運善哉)(1月21日)、節分会(2月3日)、涅槃会(2月15日に近い日曜日)、春彼岸法要(3月18日-24日)、正御影供(3月21日)、花まつり週間(4月1日-8日)、さくらまつり(4月2日)、花まつり(4月8日)、つつじまつり(5月3日)、きもの供養(5月29日)、青葉まつり(弘法大師、興教大師降誕会)(6月15日)、なつまつり(7月23日)、万灯会(8月13日-15日)、お盆特別法要(8月13日-16日)、秋彼岸法要(9月20-26日)、開山忌法要(9月24日)、88ヵ所年祭法要(10月28日)、七五三詣り(11月)、終弘法(無病息災大根炊き)(12月 21日)、 すす払い(12月28日)。
 1日尼僧修行(毎月第1土曜日、第3日曜日)。



*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考資料・資料 ウェブサイト「笠原寺」、『こころ美しく京のお寺で修行体験』、 『山科事典』、「東文研アーカイブデータベース-東京文化財研究所」、ウェブサイト「コトバンク」


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笠原寺 〒607-8172 京都市山科区大宅岩屋殿2  075-572-9400
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