


「近在巡 圓光大師廿五ケ所 第二番」の石標

本堂

本堂



水子地蔵尊

地蔵尊

地蔵尊

十三重塔 |
久御山町坊之池(ぼうのいけ)に観音寺(かんのん-じ)はある。かつて、「御牧三ヶ寺」(ほかに華台寺・念仏寺)の一つに数えられた。古く皇室の帰依も得ていた。
浄土宗、本尊は阿弥陀如来を安置している。
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。 鎌倉時代、1250年、百阿の開基によるという。当初は天台宗だった。
中世(鎌倉時代-室町時代)、「御牧三ヶ寺」(ほかに華台寺・念仏寺)の一つに数えられた。
◆百阿 鎌倉時代中期の天台宗の僧・百阿(?-?)。詳細不明。1250年、久御山・観音寺を開基したという。
◆仏像 ◈「阿弥陀如来坐像」(48.9㎝)(久御山町指定有形文化財)は、鎌倉時代中期(13世紀中頃)作とみられる。
小形の阿弥陀如来坐像で、細か、丁寧な作風になっている。坐して定印を結ぶ。顔はやや丸みをおびた童顔で、目尻は上がり引き締まった端正な表情をしている。小粒の螺髪(らほつ)は彫り出しで立ち上がりを高くしている。胸を大きく開き、腰を深く落とす体型は大仏風になる。衣文の彫りは浅く、平安時代末期(藤原時代)の都風の影響が見られる。やや形式化した穏やかさが見られる。
頭部主体は縦木一材を正中線で左右に、頸部は上下に割り矧ぐ。両袖前部・両手は別材になる。両足部は横木一材で矧ぎ、裳先は別に矧いでいる。肉髻珠(にっけいじゅ、頭頂の一段高い隆起部分)、像底板の一部は後補になる。裳先の前方部は欠失している。
木造、ヒノキ材、寄木造、漆箔、玉眼嵌入。
◈秘仏「十一面千手観音」は厨子に納められている。住職の晋山式時に限り開帳される。生涯に一度拝すれば運がよいとされている。
◆建築 本堂、山門がある。山門に菊花の紋章を配している。
◆観音 十一面千手観音は「坊ノ池観音」とも呼ばれ、伝承がある。
昔、坊ノ池村に長四郎という信心深い人があった。ある夜に夢告があり、観音菩薩が現れたという。観音は池中に沈んでいるという。諸人を救済しなければならないため、早く引き揚げよと告げた。
翌朝、長四郎は蓮池に舟を出し、瑞雲たなびく所に網を打つと、観音像を引き揚げた。その後、観音寺に祀ったという。
雷除け・厄除け・長寿の秘仏とされ、近郊近在の人々の信仰を集めた。
❊年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
❊年間行事(拝観)は中止、日時・場所・内容変更の場合があります。
❊参考文献・資料 久御山町教育委員会の説明板、『久御山町誌 第1巻』、ウェブサイト「久御山町」、『久御山町の今昔』、ウェブサイト「コトバンク」
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