新善光寺 〔泉涌寺〕 (京都市東山区)
Shinzenko-ji Temple
新善光寺  新善光寺
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 泉涌寺山内に、塔頭・新善光寺(しんぜんこう-じ)がある。 
 浄土宗、本尊は阿弥陀如来立像。
 泉山(せんざん)七福神の番外、愛染明王になる。
◆歴史年表 鎌倉時代、1243年、8月、僧・値願念西が勧進し、第88代・後嵯峨天皇の御願寺として当初は一条大宮の地に創建された。勅命により、信州信濃・善光寺の本尊を模し、本尊・阿弥陀如来立像を鋳造した。善光寺に因み寺号は新善光寺と称した。(寺伝)
 南北朝時代-室町時代、庶民の崇敬を受け、寺領も整い、寺運隆盛になる。
 室町時代、応仁年間(1467-1469)、応仁・文明の乱(1467-1477)により焼失した。
 1473年、第103代・後土御門天皇の勅命により泉涌寺山内に移される。
 江戸時代、寛文年間(1661-1673)、孤雲正瑞により、現在地に移され再興された。
 1673年、現在の方丈が建てられる。
◆値願念西 鎌倉中期時代の浄土宗の僧・値願念西(ねんさい、?-? )。詳細不明。男性。1243年、新善光寺の歓進を行い、第88代・後嵯峨天皇の御願寺として一条大宮の地に創建した。
◆良純入道親王 江戸時代前期の皇族・良純入道親王(りょうじゅん-にゅうどうしんのう、1604-1669)。男性。幼称は八宮。父・第57代・後陽成天皇、母・大典侍具子(ともこ、庭田重具の娘)の第8皇子。1614年、親王になり直輔(ただすけ)と名のる。1615年、徳川家康の猶子になる。1619年、出家し浄土宗・知恩院の初代門跡になる。1643年、放蕩などにより、幕府は甲斐天目山に流した。1659年、赦され泉涌寺に入る。和歌、名筆家として知られた。67歳。
 新善光寺(東山区)に宝篋印塔が立つ。
◆孤雲正瑞 江戸時代前期の僧・孤雲正瑞(?-?)。詳細不明。男性。寛文年間(1661-1673)、新善光寺を再興した。
◆仏像 ◈本尊の「阿弥陀如来立像」が安置されている。信州信濃(長野県)の善光寺様式になる。
  鎌倉時代中期、1243年に、第88代・後嵯峨天皇の勅命により新善光寺が創建された。大工(棟梁)・藤井為行、小工(技術者)・沙弥教弘らは、信州の善光寺本尊を模し、金銅の阿弥陀如来立像を鋳造した。この同仏同体を本尊にしたという。善光寺の阿弥陀像は霊験あらたかとされていた。信州への参詣は困難なためその代わりにされた。
 像は左手は刀印(左手を下げ、人差し指・中指を伸ばし、ほかは曲げる)、法衣は通肩(両肩を覆う)になっている。
  ◈両脇侍は梵筺印(胸前で両手掌を水平にして重ねる)を結び頭に宝冠を被る。
◆文化財 江戸時代の狩野派による襖絵58面がある。
◆七福神巡り 泉涌寺山内の七福神めぐり(成人の日)は、泉涌寺(泉山)七福神巡りとして塔頭9カ寺を巡る。現代、1951年以来続けられている。これらを福笹を持ちお参りしていく。
 第1番は福禄寿・即成院、第2番は弁財天・戒光寺、番外の愛染明王・新善光寺、第3番は恵比寿神・今熊野観音寺、第4番は布袋尊・来迎院、第5番は大黒天・雲龍院、番外の楊貴妃観音・泉涌寺本坊、第6番は毘沙門天・悲田院、第7番は寿老人・法音院になる。
◆墓  知恩院初代門跡・良純親王の宝篋印塔が立つ。
 知恩院初代門跡・良純親王(1604-1669)は、島原林屋の名妓・八千代太夫(?-1679)と懇意になり、京都所司代・板倉重宗は、八千代を落籍させ当初は知恩院前に住まわせた。
 親王の兄、第108代・後水尾天皇は二人の仲を知り、怒り、勅命により二人を山梨天目山に永久追放した。だが、17年後、二人は上皇に許されて帰洛、当院において一時暮らす。その後、八千代は世を憚り近くの民家に身を隠した。
 1664年、親王は還俗し、晴れて両人は夫婦になる。その後、瑞光院(上京区)に移り、院内の以心庵に暮らしたという。以後、親王は以心庵と号し、八宮重雅と名乗った。その5年後に親王は亡くなる。
 瑞光院の過去帳には夫婦の名があったという。新善光寺には良純親王の宝篋印塔が墓地の裏に立つ。八千代の墓は、かつて瑞光院近くに姫塚としてあったという。
◆桜 境内に枝垂桜が咲く。
◆年間行事 泉山(せんざん)七福神巡り(1月成人の日)。


*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献・資料 『京都府の歴史散歩 中』、『京都・山城寺院神社大事典』、『京都隠れた史跡100選』、『京都傑作美仏大全』、『京の福神めぐり』、ウェブサイト「コトバンク」


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新善光寺 〒605-0977  京都市東山区泉涌寺山内町31   
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