大田神社(太田神社、恩多社) (京都市北区) 
Ota-jinja Shrine

  











 大田山の麓に大田神社(おおた/おほたの じんじゃ)はある。上賀茂神社の東にあり、境外摂社になる。かつて、「恩多社」(『中右記』)、「太田(おほたの)神社」(『延喜式』)とも記された。
 祭神は天鈿女命(あめのうずめのみこと)、猿田彦命(さるたひこのみこと、大田命)を祀る。
 式内社。平安時代、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』(927)中「愛宕郡 二十一座 大八座 小十三座」の「太田神社」に比定されている。
 京都洛北・森と水の会。
 芸能・芸事上達の信仰があり、芸舞妓も詣でる。長寿福徳、病気平癒、方除け、縁結びの信仰がある。
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
 かつて、渡来系先住民の福神が祀られた。上賀茂神社創祀よりも古い農耕神とみられる。また、五穀豊穣を祈願し地主神を祀ったともいう。社域は、この地から一度も離れていないという。また、壬生、丹生、小野などの氏族祖神ともいう。これら白鬚社、百大夫社、福徳社として境内に祀られている。
 後に、上賀茂神社に近いこの地も、沼沢の池の開墾に関与した賀茂族の影響が及ぶ。この頃、賀茂社の境外末社になり、上賀茂八末社の一つに数えられた。
 平安時代、1120年、第74代・鳥羽天皇が賀茂社に行幸し、恩多社(大田神社)は官幣に預かる神社だったと記されている。(「中右記」)
 江戸時代、1628年、現在の社殿が建てられた。
 近代、1877年、上賀茂神社の第4摂社より第2摂社になる。
 1939年、カキツバタは、国の天然記念物に指定された。
◆建築 「本殿」は江戸時代、1628年に造営された。一間社流造、檜皮葺。
 「拝殿」も、1628年に造営になる。割拝殿。
◆チャンポン神楽 毎月10日の午後7時頃より、「巫女神楽」(京都市登録無形民俗文化財)の月次祭奉納が続けられている。太銅拍子、鼓、絞り太鼓などの囃子の音から、「チャンポン神楽」と俗称されている。奉仕は、当社の刀祢(とね)の家に限られている。奏者3人、巫女1人の4人構成になる。
 この里神楽は、参拝者の願掛けにより舞われる。「チャン」「ポン」のお囃子に合わせて、巫女が立ち右手に鈴を持つ。巫女は、鈴を鳴らしながら右回り3回、左回り3回、右回り3回と回転し舞い続ける。
 素朴な神楽の詳細については分かってない。少なくとも江戸時代には行われていた。家内安全、長寿延命を祈願する巫女神楽として、日本で最も古い舞いの形式を残している。春祭(4月10日)などでも奉納されている。
◆池 境内に広がる池の広さは2000㎡ある。古代、京都が湖だった頃の面影を残す泥炭池といわれる。かつてこの一帯は、深泥池と合わせた一つの沼地だったという。
 鴨川上流、雲ヶ畑の池とこの沢は地底で繋がっているとの伝承もある。また、この付近の社家・鴨脹家と御所の池も繋がるともいう。
 本殿裏山よりの湧水により、沼沢は保たれてきた。1955年頃より、周辺の開発に伴い湧水が涸れ始めた。水量確保が困難になり、現在は井戸水で補う。
◆カキツバタ 境内の大田の沢には、天然のカキツバタ(アヤメ科アヤメ属)、25000株の群落が見られる。
 大田神社のカキツバタは、平安時代にはすでに知られていた。藤原俊成(1114-1204)は、「神山や 大田の沢の かきつばた 深き頼みは 色に見ゆらむ」と詠んだ。(五社百首)
 1939年に国の天然記念物に指定されている。開花は、5月初旬から中旬頃になる。
◆樹木 コジイ、ナギ、ヒノキがある。
◆年間行事 福徳社の祭礼「幸在祭(さんやれさい)」(大田神社に参拝し、その後、上賀茂神社でお祓いを受ける。)(2月24日)、春祭(チャンポン神楽奉納。)(4月10日)、賀茂祭(午前に「上賀茂やすらい祭り」のシャグマの舞が当社に奉納される。)(5月15日)、例祭(チャンポン神楽奉納)(11月10日)。


*年間行事(拝観)などは、中止・日時・内容変更の場合があります。
*参考文献 『京の古代社寺 京都の式内社と古代寺院』『京都・山城寺院神社大事典』『京都府の歴史散歩 上』『京都大事典』『京都事典』『京都市の指定文化財 第5集』『京都の寺社505を歩く 下』『京都のご利益手帖』『京都 神社と寺院の森』  


  上賀茂神社     福徳社  上賀茂社家町     岡本やすらい堂(上賀茂やすらい祭り)                

末社・白鬚(しらひげ)社、祭神猿田彦神

末社・百大夫(ひゃくだいふ)社、祭神・船玉神(ふなたまのかみ)

末社・鎮守社、大国主神、少彦名神、はしかなど病を治す神


参道の石橋、川中に3つの石があるという。蛇の枕、雨乞いの石と呼ばれている。枕石を農具などで叩くと蛇が怒り、雨を降らせるといわれた。

カキツバタ

カキツバタ

背後は大田山の森

スギの巨木の切り株

境内の裏にある「大田の小径」

大田の小径からの市内の眺望、山は東山

巫女神楽、チャンポン神楽

上賀茂やすらい祭り
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 大田神社 〒603-8047 京都市北区上賀茂本山340   075-781-0907

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